減量効果が大きいのは?時間制限食vs.カロリー制限食

提供元:ケアネット

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公開日:2023/07/11

 

 摂取カロリーを制限しない時間制限食は、人気のある減量法となっているが、その有効性のエビデンスは限られている。とくに、長期の影響については明らかになっていない。そこで、米国・イリノイ大学シカゴ校のShuhao Lin氏らは無作為化比較試験を実施し、時間制限食の効果について、カロリー制限食や食事制限なしと比較した。その結果、時間制限食とカロリー制限食はいずれも体重を減少させたが、両者に有意差は認められなかった。本研究結果は、Annals of Internal Medicine誌オンライン版2023年6月27日号で報告された。

 本研究の対象は肥満(BMI 30~50)の成人90例であった。対象を時間制限食群(摂取カロリー制限なし、食事は12~20時に制限[16時間絶食])、カロリー制限食群(1日の摂取カロリーを25%削減)、制限なし群(絶食時間は14時間未満)の3群に割り付けた。試験は非盲検で実施され、6ヵ月の減量期間と6ヵ月の維持期間で構成された。評価項目は、試験開始から12ヵ月後までの体重変化、摂取カロリーの変化などであった。

 主な結果は以下のとおり。

・77例が試験を完遂した。
・平均年齢は40歳、黒人が33%、ヒスパニック系が46%であった。
・カロリー摂取量の平均変化量は、時間制限食群-425kcal/日、カロリー制限食群-405kcal/日であった。
・12ヵ月後の制限なし群と比較した体重変化量は、時間制限食群-4.61kg(95%信頼区間[CI]:-7.37~-1.85、p≦0.01)カロリー制限食群-5.42kg(同:-9.13~-1.71、p≦0.01)であり、両群ともに制限なし群と比較して有意に体重が減少したが、両群間には有意差は認められなかった。

(ケアネット 佐藤 亮)