統合失調症の発症時期と抗精神病薬に対する治療反応との関係

統合失調症は、発症年齢が遺伝的要因の影響を受けており、予後を予測することが可能であると考えられる。中国・北京大学のYi Yin氏らは、遅発性、早期発症型、定型発症型の統合失調症患者における症状の特徴および抗精神病薬に対する治療反応を比較するため、本検討を行った。その結果、40歳以上で発症した統合失調症に対する抗精神病薬治療は、発症年齢が40歳未満の場合と比較し、陽性症状の早期改善が期待できることが示唆されたことから、統合失調症治療では、発症年齢を考慮した個別治療が求められることを報告した。Schizophrenia Research誌2023年7月号の報告。
中国5都市の精神保健病院の入院部門5ヵ所を対象に、8週間のコホート研究を実施した。対象患者は、発症から3年以内かつ最低限の治療を実施した遅発性統合失調症(LOS、発症年齢:40~59歳)106例、早期発症型統合失調症(EOS、発症年齢:18歳未満)80例、定型発症型統合失調症(TOS、発症年齢:18~39歳)214例。ベースライン時および抗精神病薬治療8週間後の臨床症状の評価には、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を使用した。抗精神病薬治療の8週間における症状改善効果を比較するため、混合効果モデルを用いた。
主な結果は以下のとおり。
・抗精神病薬治療開始後、3群ともにすべてのPANSSスコアの減少が認められた。
・性別、罹病期間、ベースライン時の抗精神病薬投与量で調整した後、LOSは、EOSと比較し、8週間後のPANSS陽性スコアの有意な改善が認められた。
・LOSは、EOSまたはTOSと比較し、オランザピン等価換算量で体重1kg当たり1mg投与されていた場合において8週間の陽性症状改善との関連が認められた。
(鷹野 敦夫)
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