酷暑の夏に常時日傘や帽子を携帯する人は3割弱/アイスタット

提供元:ケアネット

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公開日:2023/08/08

 

 2023年の夏は、7月から全国で最高気温を更新するなど例年以上の暑さをみせている。そのため熱中症による救急搬送の増加や暑さに起因する疾病、死亡が連日報道されている。酷暑の夏、一般の人々は「暑さ」にどのような対策をしているのだろうか。株式会社アイスタットは7月20日に「夏の暑さ対策」に関するアンケートを行った。アンケート調査は、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の会員20~59歳の300人が対象。

調査概要

形式:Webアンケート形式
調査期間:2023年7月20日
回答者:セルフ型アンケートツールFreeasyに登録している300人(20~59歳、有職者)

アンケート概要

〔夏の暑さ対策、“常に対策”しているものは?〕
第1位 エアコンの使用で、冷房設定温度は26℃以上
第2位 1日3食の食事を常に食べている
第3位 屋内・屋外での何らかの暑さ対策を常に心がけている
最下位(第8位) 外出時に携帯用の扇風機や扇子・うちわを常に持ち歩いている

〔夏の暑さ対策(8項目)で、「常に対策している」の回答が1つもなかった人の特徴で多かったもの〕
「20代・30代」「男性」「既婚」「北海道・東北地方」「今シーズン、夏バテ・嘔吐・頭痛・熱中症の症状を経験していない人」

暑さ対策に5割以上の人が冷感グッズやネックバンドを利用せず

 質問で「夏の暑さ対策」について8項目を聞いた(単回答、多い順)。

(1)冷房設定温度
 26℃以上(59.3%)、26℃未満(25.7%)、使用しない(15.0%)
(2)1日3食の食事
 常に食べる(50.3%)、時と場合により食べる(30.3%)、まったく食べていない(19.3%)
(3)屋内外で何らかの暑さ対策
 時と場合により心がけている(56.3%)、常に心がけている(32.0%)、まったく心がけていない(11.7%)
(4)外出時に500mL以上の水分を摂取
 時と場合により摂取している(56.0%)、常に摂取している(29.3%)、まったく摂取していない(14.7%)
(5)外出時に帽子・日傘
 まったく使用していない(37.0%)、時と場合により使用している(35.0%)、常に使用している(28.0%)
(6)暑い日は不要不急の外出を控える
 時と場合により控える(63.3%)、まったく控えない(19.7%)、常に控える(17.0%)
(7)外出時にクールネックバンドや冷感グッズ、汗拭きシート
 まったく利用していない(54.3%)、時と場合により利用している(36.3%)、常に利用している(9.3%)
(8)外出時に携帯用の扇風機や扇子、うちわ
 常に持ち歩いていない(68.7%)、時と場合により持ち歩いている(22.7%)、常に持ち歩いている(8.7%)

 質問で「今シーズン、4項目で自分自身に該当するもの」(複数回答)を聞いたところ、「あてはまるものはない」が63.7%、「夏バテの症状が1回以上ある」が24.0%、「暑さが原因と思われる嘔吐・頭痛の症状が1回以上ある」が15.7%、「熱中症と判断されたことがある」が4.3%の順で多かった。また、年代別でみると、「夏バテ」「嘔吐・頭痛」「熱中症」の症状を経験している人は「20代・30代」ほど多い結果だった。

 そのほか夏の暑さ対策の質問で「常に」を回答した人の項目を作成し、属性別に解析したところ次のような結果がえられた。

・年代別で解析
「暑い日は不要不急の外出を控える」を回答した人は「20代・30代」で多く、「冷房設定温度(26℃以上)」「外出時に500mL以上の水分を摂取」を回答した人は「50代」で多かった。それ以外の5個の内容は「40代」で多かった。
・「常に」と回答した該当者で解析
「熱中症と判断された」を回答した人ほど「常に」実施している内容(項目)が多かった。
・対策頻度で解析(「常に」の回答が1つもない人)
「20代・30代」「男性」「既婚」「北海道・東北地方」「今シーズン、夏バテ・嘔吐・頭痛・熱中症の症状を経験していない人」ほど多かった。

回答属性から暑さ対策へ積極的なのは「女性」「今シーズンすでに熱中症あり」

 以下に属性別の集計から読み取れた項目を示す。

(1)「エアコンを使用するときの冷房設定温度について」
 26℃以上に設定している人は「50代」「女性」「既婚」「近畿地方」「暑さが原因の嘔吐・頭痛が1回以上」で多い傾向。
(2)「1日3食(朝、昼、晩)、常に食事をとっているか」
 常に食べている人は「40代」「女性」「既婚」「中部地方」「熱中症と診断されたことがある」で多い傾向。
(3)「屋内・屋外で常に何らかの暑さ対策を心がけているか」
 「40代」「女性」「既婚」「近畿地方」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。
(4)「外出するときまたは屋外で、常に500mL以上の水分(ペットボトル1本程度)を摂取しているか」
 「50代」「女性」「未婚」「関東地方」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。
(5)「外出時または屋外で、常に帽子をかぶったり、日傘を使用しているか」
 「40代」「女性」「未婚」「近畿地方」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。
(6)「猛暑日・真夏日・暑い日は、常に不要不急の外出を控えているかについて」
 「20・30代」「女性」「未婚」「四国・中国・九州地方・沖縄」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。
(7)「外出する時または屋外で、常にクールネックバンドや冷感グッズ、汗拭きシートなどを利用しているかについて」
 「40代」「女性」「既婚」「関東地方」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。
(8)「外出するときまたは屋外で、常に携帯用の扇風機(ハンディファン、首かけ用など)や扇子、うちわを持ち歩いているかについて」
 「40代」「女性」「既婚」「関東地方」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。

 以上から、暑さ対策では、「女性」で「熱中症と判断されたことがある」の項目をもった人が常に対策を行っていることが判明した。

(ケアネット 稲川 進)