PCI後のステント血栓症、P2Y12阻害薬+コルヒチンで減少~MACT Pilot Study

提供元:ケアネット

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公開日:2023/08/29

 

 PCI後の急性冠症候群(ACS)患者において、PCI翌日からアスピリンを中止、P2Y12阻害薬(チカグレロルまたはプラスグレル)に低用量コルヒチン(0.6mg/日)の併用が有効であることがMACT (Mono Antiplatelet and Colchicine Therapy) Pilot Studyより明らかになった。Journal of the American College of Cardiology Cardiovascular Interventions誌2023年8月14日号掲載の報告。

 韓国・高麗大学九老病院のSeung-Yul Lee氏らは、ACS患者に対しPCI直後のP2Y12阻害薬単独療法へのコルヒチン併用は実行可能性があるものなのかを調査するために本研究を行った。対象者は薬剤溶出性ステントで治療されたACS患者を含む200例。PCI翌日、アスピリンは中止し、P2Y12阻害薬による維持療法に加え低用量コルヒチンを投与した。

 主要評価項目は、3ヵ月後のステント血栓症の発生で、重要な副次評価項目は、退院前にVerifyNowで測定した血小板反応性と、高感度C反応性蛋白(hs-CRP)の1ヵ月後の減少率。

 主な結果は以下のとおり。

・登録症例200例中190例(95.0%)で3ヵ月の追跡調査を完了し、その間にステント血栓症(1例)とステント血栓症疑い(1例)が発生した(計2例、1.0%)。
・全体の血小板反応性レベル(P2Y12反応単位[PRU]で測定)は27±42 PRUであり、血小板反応性が高い(>208 PRU)患者は1例のみだった。
・hs-CRPレベルは、PCI後24時間の6.1mg/L(IQR:2.6~15.9)から1ヵ月後の0.6mg/L(IQR:0.4~1.2)に減少した(p<0.001)。
・高炎症(hs-CRP≧2mg/L)の発生率は81.8%から11.8%に減少した(p<0.001)。

(ケアネット 土井 舞子)

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