レビー小体型認知症(DLB)患者のパーキンソニズムに対してレボドパで効果不十分な場合、レボドパの増量とゾニサミド併用の効果および安全性の違いについては、よくわかっていない。大阪大学の池田 学氏らは、レボドパ300mg/日以下で治療されたパーキンソニズムを伴うDLB患者を対象に、ゾニサミド25mg/日併用療法とレボドパ100mg/日増量療法の比較を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2023年7月20日号の報告。
本DUEL研究は、多施設共同ランダム化非盲検並行群間非劣性試験として実施された。観察期間中、レボドパ300mg/日以下で4週間投与を行った。その後患者は、ゾニサミド25mg/日併用群またはレボドパ100mg/日増量群にランダムに割り付けられた。主要評価項目は、16週目および24週目のMDS-UPDRS Part III総スコアの平均変化とした。
主な結果は以下のとおり。
・16週目および24週目のMDS-UPDRS Part III総スコアの調整平均変化は以下のとおりであった。
【ゾニサミド併用群】16週目:-6.3、24週目:-4.4
【レボドパ増量群】16週目:-0.8、24週目:2.0
・24週目の調整平均差は、-6.4(95%信頼区間:-13.5~0.7)であり、信頼区間の上限値は、非劣性マージン(3.0)よりも低かった。
・MDS-UPDRS Part II、Eating Questionnaire、EuroQol-5 dimension-5 level (EQ-5D-5L)、Zarit介護負担尺度、その他の副次的評価項目の総スコアは、両群間で差は認められなかった。
・有害事象の発生率は、両群間で差は認められなかった。
その結果を踏まえて著者らは、「レボドパで効果不十分な場合、ゾニサミド25mg/日を併用することで、DLB患者の運動症状に中程度の効果が期待できる。しかし、本研究では、レボドパ増量が想定されているほどの効果が得られなかったため、ゾニサミド25mg/日併用がレボドパ100mg/日と同程度の効果があるかは、検証できなかった」としている。
(鷹野 敦夫)