医療プラットフォーム「ファストドクター」は8月末からコロナ後遺症専門のオンライン診療サービスをスタートした。ファストドクターは2016年にスタートした在宅医療のデジタルプラットフォーム。主な事業として、夜間・休日医療の1)救急相談、2)救急往診・オンライン診療、3)かかりつけ医連携機能を担う。一般的な利用スタイルとしては、患者からの連絡で電話相談を受け、必要に応じて登録医師とマッチング、オンライン診療もしくは救急往診で対応、という流れとなる。
今回スタートしたコロナ後遺症専門サービスは、コロナ罹患後も倦怠感や不眠症などの体調不良が持続する人に対し、ファストドクターの登録医がオンラインで問診・診察を行う。コロナ後遺症は疲労感や味覚障害などの身体症状から不眠や記憶力低下などの精神障害にわたるものまで幅広く、患者側は適切な診療科を選択することが難しい。さらに対応する診療機関も限られる、という現状がある。
コロナ後遺症専門オンライン診療では、ファストドクターの救急往診サービスとの連携は行っておらず、オンライン診療後に対面受診が必要だと医師が判断した場合は、地域の専門医療機関への紹介状を発行し、そちらでの受診を促す。オンライン診療は精神科・内科を専門とする医師が中心となって対応するという。
【コロナ後遺症専門オンライン診療の概要】
・対応時間:月・木曜日(18~23時)・土曜日(9~12時)
・対応地域:全国
・薬の受け取り方法:自宅配送または指定の薬局での受け取り
・利用方法:患者が専用サイトから予約してオンライン受診。保険証はオンライン確認、会計はクレジットカード払い。診療後は必要に応じて紹介状による専門機関との連携や必要書類を発行
・料金:利用時間に応じて初診2,100円~(自己負担分の目安)
また、サービスの提供を通じて収集される診療データは、患者の同意を得たうえで適した研究機関に提供され、コロナ罹患後の精神症状の評価や治療法の確立、治療薬の開発などに寄与することを目指すという。
(ケアネット 杉崎 真名)