Stroke Oncology(脳卒中合併がん)の対策、学会の枠越え取り組み/日本腫瘍循環器学会

提供元:ケアネット

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公開日:2023/10/23

 

 がん患者の脳梗塞合併の課題解決に向け、脳卒中医とがん診療医が共同で取り組んでいる。

 9月30日~10月1日の2日間、神戸で開催された第6回日本腫瘍循環器学会学術集会にて、NTT東日本関東病院の水上 拓郎氏が発表した。

 がん患者の脳梗塞リスクは非がん患者と比べ高く、そのリスクはステージが進行するごとに上昇する。がん患者の脳卒中合併には複数の因子が絡み、がん種や診断時期によってリスクは異なるため、予後予測は複雑である。

 そのような中、脳卒中とがん、それぞれの専門家が議論する場が必要とされてきた。日本脳卒中学会では2020年からStroke Oncology Project Teamを設立している。日本がんサポーティブケア学会では、腫瘍医側の主体として、Stroke Oncologyワーキンググループ(WG)を2022年に設立した。同WGでは、脳卒中医と連携し、Stroke Oncologyの各種課題について議論する。

 学術集会では最初の取り組みとして実施した日本国内の先行研究のレビューを発表した。脳卒中発症の予測因子として、D-ダイマー、CRP、脳転移の有無、がん診断からの期間の関連が高いと報告している。

(ケアネット 細田 雅之)