グラクソ・スミスクライン/GSKは、60歳以上におけるRSウイルス(RSV)による感染症の予防を目的とした組み換えRSVワクチン「アレックスビー筋注用」を2024年1月15日に販売開始した。本ワクチンは、60歳以上を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験「AReSVi-006試験」の結果1)に基づき、2023年9月25日に製造販売承認を取得している。
AReSVi-006試験の対象は、60歳以上の成人(医学的に安定している基礎疾患を有する者を含む)2万4,981例(日本人1,038例を含む)で、主要評価項目はRSV感染による下気道疾患※の初回発現を指標とした予防効果であった。主要評価項目に関する有効率は82.6%であり、RSV感染による下気道疾患に対する本ワクチンの有効性が検証された。なお、日本人集団ではRSVによる下気道疾患の発現はみられなかった。
※:24時間以上持続する1つ以上の下気道徴候を含む2つ以上の下気道症状/徴候がある、または24時間以上持続する3つ以上の下気道症状がある
本ワクチンは、アジュバント添加RSVワクチンであり、抗原として膜融合前型立体構造を保持できるよう改変したRSVのfusion(F)糖タンパク質の3量体を含有している。この抗原にGSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせている。また、国際共同第III相無作為化比較試験(NCT05590403)2)に基づき、RSVによる感染症のリスクが高い50~59歳の成人への接種対象者拡大についても、2023年12月に厚生労働省へ承認申請を行っている。
【アレックスビー筋注用 製品概要】
製品名:アレックスビー筋注用
一般名:組換えRSウイルスワクチン
効能又は効果:RSウイルスによる感染症の予防
用法及び用量:60歳以上に1回、0.5mLを筋肉内接種
(ケアネット 佐藤 亮)