HR+HER2-進行乳がん、パルボシクリブ+タモキシフェンが治療選択肢に/ファイザー

提供元:ケアネット

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公開日:2024/01/18

 

 ファイザーは1月15日付のプレスリリースにて、パルボシクリブの添付文書が改訂されたことを発表した。ホルモン受容体(HR)陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)の進行または転移乳がん患者へのパルボシクリブとタモキシフェン併用投与の有効性と安全性を検討した第III相試験(PATHWAY試験)の結果に基づくもので、これにより、パルボシクリブとタモキシフェンとの併用が新たな治療選択肢となる。

 パルボシクリブはこれまで、レトロゾールまたはフルベストラントとの併用投与の成績に基づいて承認されており、タモキシフェンとの併用における有効性や安全性は確立されていなかった。またアジア地域では欧米に比べ、全乳がんのうち閉経前乳がんの占める割合が多く、治療選択肢が十分でない状況があった。

 PATHWAY試験は、HR+/HER2-の閉経前・閉経後の進行または転移乳がん患者を対象に、パルボシクリブとタモキシフェンの併用投与と、プラセボとタモキシフェンの併用投与を比較した国際多施設共同無作為化二重盲検試験で、国立がん研究センター中央病院が主導した医師主導治験。日本(12施設)、韓国(6施設)、台湾(3施設)、シンガポール(2施設)の4ヵ国が参加した。

 本試験において、パルボシクリブとタモキシフェンの併用投与は、プラセボとタモキシフェンの併用投与と比較し、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示し、試験の主要目的を達成した。

(ケアネット 遊佐 なつみ)