テポチニブによる日本人METexon14スキッピング非小細胞肺がん(NSCLC)の最新のリアルワールドデータが発表された。
神奈川県立がんセンターの加藤 晃史氏は第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)で、テポチニブによる日本人METexon14スキッピングNSCLCの市販後調査の更新結果を発表した。対象は2020年6月〜2021年3月に登録されたMETexon14スキッピングNSCLC158例で、安全性・有効性評価対象は147例であった。観察期間はテポチニブの投与開始から52週である。
主な結果は以下のとおり。
・患者の年齢中央値は72歳、PS2以上が2割以上、2次治療以降が半数以上を占めた。
・全Gradeの有害事象(AE)発現率は72.1%、Grade≧3のAEは18.4%であった
・頻度の高いAEは体液貯留(全Gradeで46.9%)、腎機能障害(同36.7%)、肝機能障害(同13.6%)で、間質性肺疾患は6.8%に発現した。
・全奏効率(ORR)は51.0%、病勢制御率は77.6%であった。
・ORRはECOG PSおよび前治療の有無にかかわらず一貫しており、PS2~4では45.2%、3ライン治療では46.2%、4ライン治療以降では51.5%であった。
発表者の加藤氏は、「この市販後調査結果は、日本人のMETexon14スキッピングNSCLCにおけるテポチニブの安全性と有効性を裏付けるものだ」としている。
(ケアネット 細田 雅之)