ペムブロリズマブ+化学療法の進行・再発子宮体がんに対するOS(NRG GY018)/SGO2024

提供元:ケアネット

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公開日:2024/04/08

 

 化学療法・ペムブロリズマブ併用は、ミスマッチ修復機能(MMR)状況にかかわらず、未治療の進行・再発子宮体がんの全生存期間(OS)を改善する傾向を示した。

 進行・再発子宮体がんを対象とした第III相無作為化プラセボ対照NRG GY018試験において、ペムブロリズマブ+化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)とペムブロリズマブのシークエンス治療は、MMR状況を問わず主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した1)。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のRamez Eskander氏は、米国婦人科腫瘍学会(SGO2024)で、NRG GY018試験の副次評価項目の結果(中間解析1)を発表した。

・対象:未治療の再発または進行子宮体がん
・試験群:ペムブロリズマブ+化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル) 3週ごと6サイクル→ペムブロリズマブ 6週ごと14サイクルまで(Pembro+CT群)
・対照群:プラセボ+化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル) 3週ごと6サイクル→プラセボ 6週ごと14サイクルまで(CT群)
・評価項目
[主要評価項目]治験担当医評価のPFS
[副次評価項目]MMR欠損(pMMR)およびMMR正常(dMMR)集団のOS、pMMR およびdMMR集団のPD-L1発現状況、pMMRおよびdMMR集団におけるPD-L1発現状況による治験担当医評価のPFS、MMRステータス別の盲検下独立中央判定(BICR)と治験担当医評価の結果比較

 主な結果は以下のとおり。
[MMR状況別の結果]
・pMMR集団のOS中央値は試験完了度(information fraction)27.2%の時点で、Pembro+CT群27.96ヵ月、CT群27.37ヵ月と、Pembro+CT群で良好な傾向であった(ハザード比[HR]:0.79、95%信頼区間[CI]:0.53~1.17、p=0.1157)
・dMMR集団のOS中央値はinformation fraction18.0%の時点で、Pembro+CT群、CT群とも未到達だったが、Pembro+CT群で良好な傾向であった(HR:0.55、95%CI:0.25~1.19、p=0.0617)

[PD-L1発現別の結果]
・pMMR、dMMR集団ともにPD-L1陽性(CPS≧1)患者が7割以上(71〜87%)を占めていた。
・pMMR集団におけるPFSのHRはPD-L1≧1%患者群で0.59(95%CI:0.43~0.80)、PD-L1<1%患者群では0.44(95%CI:0.26~0.75)と、PD-L1発現レベルを問わずPembro+CT群で良好な傾向を示した。
・dMMR集団におけるPFSのHRはPD-L1≧1%患者群で0.27(95%CI:0.16~0.47)、PD-L1<1%患者群では0.30(95%CI:0.11~0.83)と、PD-L1発現レベルを問わずPembro+CT群で良好な傾向を示した。

 対照となるCT群における後治療の免疫療法の割合が高かった(45~55%)にもかかわらず、Pembro+CT群はOSの改善傾向を示唆した。Eskander氏は、これらの結果は化学療法へのペムブロリズマブの追加を、MMR状態に関係なく進行・再発子宮体がんの1次治療として支持するものだとしている。

(ケアネット 細田 雅之)