PNHに対するC5阻害薬と併用する世界初の経口薬、ボイデヤ発売/アレクシオン

提供元:ケアネット

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公開日:2024/04/22

 

 アレクシオンファーマは2024年4月17日、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療薬としてボイデヤ(一般名:ダニコパン)を同日より発売開始したことを発表した。

 PNHは、血管内溶血として知られる血管内の赤血球破壊と、白血球および血小板の活性化を特徴とするまれで重度の血液疾患であり、血栓症を引き起こし、臓器障害や早期死亡に至る可能性がある。C5阻害薬のユルトミリス(一般名:ラブリズマブ[遺伝子組換え])またはソリリス(一般名:エクリズマブ[遺伝子組換え])は、補体C5を阻害して終末補体を抑制することで症状および合併症を軽減し、PNH患者の生存率への影響が期待できる薬剤である。C5阻害薬を投与下のPNH患者の約10~20%に臨床的に問題となる血管外溶血が顕在化し、持続的な貧血症状や定期的な輸血が必要となるケースがある。

 本剤は、「発作性夜間ヘモグロビン尿症」を効能または効果とし、C5阻害薬による適切な治療を行っても十分な効果が得られない場合にC5阻害薬と併用して投与される。C5阻害薬のユルトミリスまたはソリリスと併用投与する薬剤として開発されたファースト・イン・クラスの経口補体D因子阻害薬である本剤は、C5阻害薬の治療中に臨床的に問題となる血管外溶血が生じる特定のPNH患者(約10~20%)のニーズに対応する。

 本剤の承認は、国際共同第III相臨床試験(ALPHA試験)から得られた肯定的な結果に基づく。同試験における12週間の主要評価期間の結果については、Lancet Haematology誌に掲載されている1)。ALPHA試験では、ヘモグロビンが9.5g/dL以下かつ網状赤血球数が120×109/L以上と定義した臨床的に問題となる血管外溶血を示すPNH患者を対象に、ユルトミリスまたはソリリスに本剤を併用した際の有効性および安全性を評価した。その結果、プラセボ群と比較した投与12週時点のヘモグロビンのベースラインからの変化量という主要評価項目を達成したほか、輸血回避および慢性疾患治療の機能的評価-疲労(FACIT-Fatigue)スコアの変化量を含む主な副次評価項目を達成した。ALPHA試験の結果において、安全性と忍容性に新たな懸念は認められず、本試験で最も多く報告された有害事象は頭痛、悪心、関節痛および下痢であった。

 アレクシオンファーマ社長の笠茂 公弘氏は、「当社は『すべての希少疾患をもつ人々に人生を変える治療法と希望を届ける』というパーパスを掲げ、より早く、より多くの患者さんのニーズに応えるよう務めている。ボイデヤが、これまで以上にPNHをもつ患者さんとそのご家族のより良い生活に寄与できることを願っている」としている。

(ケアネット)

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