日本医師会会長の松本 吉郎氏が、2024年6月5日の定例記者会見で、能登半島地震における日本医師会災害医療チーム(JMAT)の活動を5月31日をもって終了したことを報告した。最終的には、累計3,849チーム、1万2,374人が派遣された。松本氏は、47都道府県すべての医師会からチームが派遣されたことに謝意を示した。
石川県庁の災害対策本部によれば、5月下旬時点で能登地方の避難所に約1,800人、1.5次や2次避難所に約1,600人が避難しているという。松本氏は、「一刻も早く地域社会を再建し、日常生活を取り戻してもらうことが必要であり、そのためには地域に根差して医療や介護を担うかかりつけ医機能の復旧が不可欠」としたうえで、「地域社会の再建と地域医療の復旧のため、石川県の行政と医師会が車の両輪となって復旧・復興につとめてもらいたい。日本医師会としても今後も被災地を支えていく」と述べた。
最後に、「今回の地震は過疎化や高齢化が進んだ地域で発生したため支援活動が困難であったが、大切な教訓を残した」と振り返った。今後、日本医師会は、JMAT活動報告会の開催、JMATのあり方に関する検討、JMAT要綱や災害医療支援業務計画の改正、JMAT研修や防災訓練の実施に加え、次の大規模災害発生に向けた感染対策などの取り組みを進めるという。
(ケアネット 森 幸子)