男性乳がんの病理学的特徴と生存期間

提供元:ケアネット

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公開日:2024/10/11

 

 男性の乳がんは女性の乳がんと同様の治療戦略で管理されている。今回、中国・空軍軍医大学西京病院のMeiling Huang氏らは、自施設における男性乳がんの臨床病理学的特徴、治療、生存期間について後ろ向きに分析・報告した。American Journal of Men's Health誌2024年9・10月号に掲載。

 本研究は2006年8月~2024年3月に西京病院に入院した男性乳がん患者66例を対象とした。データは病院記録と西京病院の乳がんデータベースから収集した。

 主な結果は以下のとおり。

・男性乳がんの罹患率は2018年から増加傾向にあり、女性乳がん患者よりも高齢であった。
・最も多い組織型は浸潤がんで、ホルモン受容体陽性であった。
・計62例(93.9%)に修正根治的乳房切除術が施行されていた。
・化学療法は39例(59.1%)、内分泌療法は14例(21.2%)、放射線療法は9例(13.6%)に施行されていた。
・全生存期間中央値は46.7ヵ月(0.9~184.8ヵ月)で、最新データでは58例(87.9%)が生存している。
・生存期間と有意に関連する因子は、年齢(χ2=3.856、p=0.050)、エストロゲン受容体(χ2=10.427、p=0.005)、分子タイプ(χ2=10.641、p=0.031)、p63(χ2=2.631、p<0.001)、内分泌療法(χ2=31.167、p<0.001)であった。

 著者らは「これらの結果は男性乳がんに関する貴重な知見を提供し、標準治療の参考となる」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)