COVID-19罹患で自己免疫・炎症性疾患の長期リスクが上昇

提供元:ケアネット

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公開日:2024/12/11

 

 COVID-19罹患は、さまざまな自己免疫疾患および自己炎症性疾患の長期リスクの上昇と関連していることが、韓国・延世大学校のYeon-Woo Heo氏らによる同国住民を対象とした後ろ向き研究において示された。これまでCOVID-19罹患と自己免疫疾患および自己炎症性疾患との関連を調べた研究はわずかで、これらのほとんどは観察期間が短いものであった。著者は「COVID-19罹患後のリスクを軽減するために、人口統計学的特性、重症度、ワクチン接種状況を考慮しながら、長期的なモニタリングと管理が重要であることが示された」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2024年11月6日号掲載の報告。

 研究グループは、Korea Disease Control and Prevention Agency-COVID-19-National Health Insurance Service(K-COV-N)コホートを対象に、COVID-19罹患後の長期における自己免疫疾患および自己炎症性疾患のリスクを調べた。対象は、2020年10月8日~2022年12月31日にCOVID-19罹患が確認された住民(COVID-19罹患群)、2018年に一般健康診断を受けた住民(対照群)とした。

 主要アウトカムは、COVID-19罹患後の自己免疫疾患および自己炎症性疾患の発症率とリスクとした。逆確率重み付け法を用いて、人口統計学的特性、一般的な健康データ、社会経済的状況、併存疾患などの共変量を調整して解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・観察期間180日超のCOVID-19罹患者314万5,388例、対照376万7,039例の計691万2,427例(男性53.6%、平均年齢53.39[SD 20.13]歳)が解析に含まれた。
・COVID-19罹患群でリスクが高かった疾患(調整ハザード比、95%信頼区間)は以下のとおりであった。
 円形脱毛症(1.11、1.07~1.15)
 全頭脱毛症(1.24、1.09~1.42)
 尋常性白斑(1.11、1.04~1.19)
 ベーチェット病(1.45、1.20~1.74)
 クローン病(1.35、1.14~1.60)
 潰瘍性大腸炎(1.15、1.04~1.28)
 関節リウマチ(1.09、1.06~1.12)
 全身性エリテマトーデス(1.14、1.01~1.28)
 シェーグレン症候群(1.13、1.03~1.25)
 強直性脊椎炎(1.11、1.02~1.20)
 水疱性類天疱瘡(1.62、1.07~2.45)
・人口統計学的特性(男性/女性、40歳未満/以上)別のサブグループ解析では、COVID-19罹患による自己免疫疾患および自己炎症性疾患のリスクは、性別や年齢によって異なることが示された。
・とくに、ICU入室を要する重症COVID-19罹患、デルタ株優勢期の感染、ワクチン未接種はCOVID-19罹患後の自己免疫疾患および自己炎症性疾患のリスクが高かった。

(ケアネット)