体脂肪率が片頭痛の重症度と関連、とくに女性で顕著

提供元:ケアネット

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公開日:2025/01/06

 

 片頭痛は、悪心、光恐怖症、音恐怖症を頻繁に伴う反復性頭痛を特徴する疾患であり、その有病理は非常に高く、社会経済的負担の増大と関連している。近年、一般人口における肥満の割合は増加しているが、体脂肪率と重度の頭痛や片頭痛の発症率との関連は、あまり研究されていなかった。中国・重慶医科大学のRongjiang Xu氏らは、この課題を明らかにするため、体脂肪率と重度の頭痛または片頭痛の発生率との関連を調査した。Cureus誌2024年10月26日号の報告。

 対象は、1999〜2004年の米国国民健康栄養調査(NHANES)より抽出した5,060例。性別、貧困所得比(PIR)、学歴、喫煙状況、中程度の身体活動、高血圧で調整した後、制限付き3次スプライン(RCS)曲線およびロジスティック回帰を用いて、体脂肪率と重度の頭痛または片頭痛の発生率との関連を調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者のうち、重度の頭痛または片頭痛が認められた患者は1,289例(25.5%)。
・重度の頭痛または片頭痛を有する患者は、そうでない患者と比較し、女性の割合が高く、学歴、世帯収入、喫煙、アルコール摂取、糖尿病、高血圧が低い傾向であった。
・とくに女性では、モデルにおいて体脂肪率と重度の頭痛または片頭痛との間に有意な関連が認められたが、男性では認められなかった。
・体脂肪率の四分位を用いた多変量ロジスティック回帰分析でも、同様の結果であった。

 著者らは「関連変数で調整した後、体脂肪率と重度の頭痛または片頭痛との間に正の相関が認められた。この関連は、とくに女性で強かった」としたうえで「肥満と片頭痛との関連は複雑であり、体脂肪率が片頭痛の悪化に及ぼす影響を明らかにするためにも、さらなる研究が求められることが浮き彫りとなった」とまとめている。

(鷹野 敦夫)