日本の大学生の血圧、コロナ禍後に上昇

提供元:ケアネット

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公開日:2025/02/25

 

 日本の大学生における血圧の5年ごとの調査で、コロナ禍後の2023年に血圧が上昇していたことが、慶應義塾大学の安達 京華氏らの研究でわかった。一方、喫煙・飲酒習慣や睡眠不足、精神的ストレス、ファストフードやスナック菓子の摂取は減少、運動習慣は増加しており、血圧上昇の原因は特定されなかった。Hypertension Research誌2025年2月号に掲載。

 高血圧は中高年だけでなく、若年者においても心血管疾患のリスクを高める。コロナ禍では世界中で血圧の上昇傾向が観察されたが、若年成人については十分な評価がなされていない。本研究では、コロナ禍の前後を含む2003~23年の20年間、5年ごとに大学生(10万6,691人)の血圧を調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・2003~18年において血圧に目立った変化はなかったが、コロナ禍後に男女とも血圧の上昇がみられ、収縮期血圧は、男性が2018年の118.1(SD:14.2)mmHgから2023年の120.6(SD:12.5)mmHgに、女性が104.6(SD:11.8)mmHgから105.1(SD:11.7)mmHgに上昇した。
・これらの傾向は、標準体重/低体重の学生、および1年生と2年生で顕著であった。
・生活習慣を調査した結果、喫煙・飲酒習慣、睡眠不足、精神的ストレス、ファストフードやスナック菓子の摂取が減少し、運動習慣が増加していた。

(ケアネット 金沢 浩子)