統合失調症に対するアリピプラゾール併用による糖脂質代謝への影響〜メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2025/02/24

 

 アリピプラゾール補助療法は、統合失調症の精神症状および代謝障害の改善に潜在的な影響を及ぼすことが現在の研究で示唆されている。しかし、これらの研究は不足しており、糖脂質代謝指標に関する詳細な分析が不十分である。中国・Yulin City Veterans' HospitalのTianbao Wei氏らは、アリピプラゾール補助療法が精神症状および糖脂質代謝に及ぼす影響を評価するため、ランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Frontiers in Psychiatry誌2025年1月10日号の報告。

 アリピプラゾール補助療法が糖脂質代謝および臨床症状に及ぼす影響を評価したRCTを、PubMed、EMBASE、Web of Science databasesよりシステマティックに検索した。

 主な結果は以下のとおり。

・アリピプラゾール補助療法は、統合失調症患者の血糖値、トリグリセライド、総コレステロール、LDL値を低下させたが、HDL値への有意な影響は認められなかった。
・アリピプラゾールの短期的(8週間以内)および投与量15mg超で、代謝パラメータの有意な改善が認められた。
・アリピプラゾール補助療法は、臨床症状の悪化につながる可能性も否定できないため、使用に際しては注意が必要である。

 著者らは「アリピプラゾール補助療法は精神症状および代謝パラメータの両方を改善する潜在的なベネフィットが認められた。とくに糖脂質代謝指標に関して、これらの結果を確固たるものにするためには、より包括的な研究が求められる」と結論付けている。

(鷹野 敦夫)