再発・難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)に対する二重特異性レンチウイルス抗CD20/抗CD19(LV20.19)CAR-T療法の第I/II相試験の結果、100%の全奏効率(ORR)を示し、88%で完全奏効(CR)を達成した。米国・Medical College of WisconsinのNirav N. Shah氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2025年3月31日号で報告。
本試験は、2ラインの治療に失敗または移植後に再発したMCL患者を対象とし、LV20.19 CAR-T細胞はCliniMACS Prodigyを用いて施設内で製造された。ナイーブT細胞と幹細胞メモリー(SCM)様T細胞を増やし最終CAR-T細胞を最適化するため、8日間もしくは12日間のフレキシブルな工程で製造した。
主な結果は以下のとおり。
・再発・難治性MCL患者17例(第I相:3例、第II相:14例)にLV20.19 CAR-T細胞を2.5✕106個/kg単回投与した結果、最良ORRが100%(CR:88%、部分奏効:12%)で、第II相における90日CR率の有効性基準を超えた。
・データカットオフ時点で2例が再発したが、追跡期間中央値15.8ヵ月において無増悪生存期間および全生存期間の中央値には達していない。
・サイトカイン放出症候群が94%(16例)に発現したが、すべてGrade1または2であった。
・免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群が28日間で18%(3例)に発現し、うち2例は可逆的なGrade3であった。
・非再発死亡が3例にみられたが、いずれもB細胞無形成の状況だった。
・最終のLV20.19 CAR-T細胞はSCM様T細胞/ナイーブT細胞の割合が高く、ほとんどの患者がアフェレーシスから8日以内に投与された。
本試験から、著者らは「施設内でフレキシブルな工程で製造されたLV20.19 CAR-T細胞が、再発・難治性MCLに対して実現可能で安全かつ有効であることを示した」と結論している。
(ケアネット 金沢 浩子)