中外製薬株式会社は25日、スイス・ロシュ社が行ったLITHE試験の新しい2年間のデータからACTEMRA(トシリズマブ、欧州販売名:RoACTEMRA)が、関節の構造的損傷の抑制と高い寛解率の維持に引き続き有効であると発表した。関節リウマチ(RA)患者の関節の構造的損傷の予防は、RA治療の有効性を図る重要な指標となる。
投与開始2年時のデータは、現在標準治療とされているACTEMRAとメトトレキサート(MTX)の併用療法で治療した患者では対照群の患者と比較して、24ヵ月の治療期間中に関節の構造的損傷が有意に抑制することを示しているという。評価は骨びらんの進行と関節腔の狭窄を示すX線写真で判断された。
また、ACTEMRAを使用している患者からは、Health Assessment Questionnaire(HAQ)スコアで評価される通常の日常活動能が改善したと報告されているという。この試験において、ACTEMRAはおおむね忍容性に優れ2年間の治療後の全体的な安全性プロファイルは過去の試験データと一致していた。この2年間の試験のデータをすべて使用し、各国の規制当局に構造的損傷の進行抑制と身体機能の改善を添付文書に記載すべく、申請される予定。また、今後の国際学会での発表へもデータを提出する予定だという。