関節リウマチに対するアクテムラの長期的な有効性

提供元:ケアネット

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公開日:2009/06/12

 

 中外製薬株式会社は10日、ACTEMRA(トシリズマブ、欧州販売名:RoACTEMRA)で2年以上治療した関節リウマチ(RA)の患者の56%が治療歴や罹病期間に関わらず寛解に至ることが、スイス・ロシュ社が欧州リウマチ学会(EULAR)総会で発表した新しいデータにより明らかになったと報告した。寛解はDAS28<2.6と定義され、寛解によりRA症状が有意に解消され、患者が通常の日常生活を継続したり再開したりできることで実生活にベネフィットがもたらされる。

 ACTEMRAは初のヒト化抗ヒトインターロイキン-6(IL-6)受容体モノクローナル抗体。日本で最初に承認され、2005年6月に同社よりキャッスルマン病治療薬として上市された。2008年4月には、関節リウマチ、若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎が追加効能として承認されている。

 試験結果は、LITHE試験において、ACTEMRA8mg/kgの投与を受けた多くの患者では、MTX単剤投与を受けた患者と比較して、6ヵ月時の寛解率は統計学的に有意に高い数値を示した(33%対4%)。これらの数値は1年時まで時間経過とともに上昇した(47%対8%)。最近発表されたLITHE試験のトップラインの成績は、こうしたベネフィットが2年後も維持または改善されていることを示している。ACTEMRAではHealth Assessment Questionnaire(HAQ)で評価された患者の日常生活能も改善しているという。

 また、第III相臨床試験であるAMBITON試験の結果は、ACTEMRAが単剤療法として、ACR20、ACR50ならびにACR70改善率(6ヵ月後)において、現在の標準治療であるMTXに対して優位性を示していて、過去にDMARDsによる治療を受けていない患者の40%で24週時にDAS28の寛解を認めたとのこと。