尿のDNAメチル化検査で膀胱がんを検出可能

提供元:HealthDay News

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公開日:2024/01/05

 

 尿のDNAメチル化検査により、血尿患者の膀胱がんを正確に検出できるという研究結果が、「The Journal of Molecular Diagnostics」9月号に掲載された。

 Genomictree社(韓国)のTae Jeong Oh氏らは、血尿患者において膀胱がんを検出するための尿を用いたDNAメチル化検査の導入と検証を実施した。この検査は、線形ターゲットエンリッチメント後に定量的メチル化特異的PCRを行い、尿DNA中のPENKメチル化を検出するもの。まず、膀胱がんのある血尿患者175人と膀胱がんのない血尿患者143人を対象とした症例対照研究で同検査を導入した後、膀胱鏡検査の予定されている血尿患者366人を対象とした臨床研究でその精度を検証した。

 症例対照研究において2群を鑑別した結果、同検査の最適なカットオフ値が決定され、全体の感度は86.9%、特異度は91.6%、曲線下面積(AUC)は0.892を達成した。臨床研究において同検査の成績を検証した結果、膀胱がん38例の検出の感度は84.2%、特異度は95.7%、AUCは0.900を達成した。特に、Ta高異型度以上の病期の膀胱がんの検出の感度は92.3%を達成した。同検査の陰性的中率は98.2%、陽性的中率は68.7%であった。

 論文の共著者で同じくGenomictree社に所属するSungwhan An氏は、「不要な膀胱鏡検査の必要性を排除する、簡潔かつ有効な診断検査がもたらす、膀胱がん診断のブレークスルーが本研究で提示された。この検査は膀胱がん関連の死亡と医療費を大幅に削減する可能性がある」と述べている。

 なお、複数人の著者がGenomictree社およびPromis Diagnostics社の雇用者および株主である。

[2023年8月21日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら