膀胱がんリスク、仕事での立位/歩行は座位より5割減~日本人集団

提供元:ケアネット

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公開日:2023/10/18

 

 身体活動と膀胱がんリスクとの関連については、アジア人集団では一貫していない。今回、大阪大学のHang An氏らが日本人の大規模コホートで検討したところ、とくに男性において、レクリエーションスポーツへの参加や仕事での立位/歩行の身体活動が膀胱がんリスクと逆相関していたことが示された。Cancer Research and Treatment誌オンライン版2023年10月6日号に掲載。

 本研究は集団ベースの前向きコホート研究で、がん/心血管疾患の既往のない40~79歳の日本人5万374人について自己記入式質問票で身体活動に関する情報を取得し解析した。Cox比例ハザードモデルを用いて、潜在的交絡因子を調整後の膀胱がん発症のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値17.5年で、膀胱がん(男性116例、女性37例)が153例に発症した。
・レクリエーションスポーツの参加時間が1週間に1~2時間、3~4時間、5時間以上の人における膀胱がんの多変量調整後のHR(95%CI)は、順に0.67(0.38~1.20)、0.79(0.36~1.74)、0.28(0.09~0.89)であった(傾向のp=0.017)。
・仕事での立位/歩行の身体活動は、仕事でほとんど座っている状況と比べて、膀胱がんリスクが低かった(HR:0.53、95%CI:0.32~0.85)。
・1日の歩行時間は膀胱がんリスクと関連していなかった。
・膀胱がんリスクが顕著に低かったのは、男性におけるレクリエーションスポーツ(HR:0.33、95%CI:0.10~1.00)および仕事での立位/歩行の身体活動(HR:0.57、95%CI:0.33~0.98)であった。

(ケアネット 金沢 浩子)