限界に近いトレーニングは筋肥大に有効?

提供元:HealthDay News

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公開日:2024/08/30

 

 ウェイトリフティングをする人の間で人気のあるトレーニングは、「training to failure(失敗するまでトレーニングする)」、つまり、エクササイズでそれ以上おもり(ウェイト)を持ち上げられなくなるまでレップ(動作の反復の1回が1レップ)を繰り返す方法である。このトレーニング方法は、筋肉を大きくするのには役立つが、筋力の増強にとっては限界までやるかやらないかは関係しない可能性のあることが新たな研究で明らかになった。米フロリダ・アトランティック大学(FAU)生体医科学部(Charles E. Schmidt College of Biomedical Sciences)のMichael Zourdos氏らによるこの研究の詳細は、「Sports Medicine」に7月6日掲載された。

 この研究では、55件の先行研究のデータを分析して、限界に近いレップ数で行うトレーニングが、主に、エクササイズで使用される主要な筋肉の肥大と筋力増強にどのような影響を及ぼすのかが検討された。その結果、トレーニングをまだ余力のあるレップ数でやめても、限界に近いレップ数で行っても、筋力増強の程度は同様であることが明らかになった。その一方で、筋肥大については、限界に近いレップ数でトレーニングを行う方が効果の大きいことも示された。

 Zourdos氏は、「筋肉を大きくしたいのであれば、トレーニングを限界に近いレップ数で行う方が効果的だろう。言い換えると、セット数やレップ数の変更によりトレーニングのボリュームを変えても、自分の限界に近いトレーニングと筋肥大との関連には影響しないということだ」と述べている。

 研究グループは、筋肉を大きくしたい人に対しては、怪我を防ぐためにも、限界よりも0〜5回少ないレップ数でトレーニングを実施するべきだとアドバイスしている。また、筋力を増強させたい人に対しては、限界に近い状態まで行うのではなく、負荷を大きくしてトレーニングを行い、レップ数を限界よりも3〜5回少なくすると良いと述べている。

 論文の筆頭著者である、FAU運動科学・健康増進学科分野のZac Robinson氏は、「限界に近いトレーニングは、自分があと何レップできるかに関する自己報告の精度を高める。あと何レップできるのかの見積もりは選ぶウェイトに影響を与える。見積もりが外れると、本来必要とされるよりも軽いウェイトを使用することも考えられ、そうなると、筋力の向上も制限される可能性がある。その一方で、本研究では、限界に近いトレーニングがより大きな筋肉の成長につながることも示された。よって、平均的な人にとっては、体力に対する感覚の精度と筋肉のサイズの向上の両方を改善する限界に近いトレーニングが最適な選択肢なのかもしれない」と述べている。

[2024年8月2日/HealthDayNews]Copyright (c) 2024 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら