有用な臨床意思決定支援システムとは?/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2013/03/07

 

 診療プロセスやアウトカムの改善効果のある臨床意思決定支援システムは、患者と医師の双方へのアドバイスが提供されるものや、アドバイスに従わない場合にその理由を入力するようになっているものであることが、カナダ・Western Ontario大学のPavel S Roshanov氏らが行ったメタ解析で明らかになった。一方で、電子カルテやオーダー・エントリー・システムに助言が示されるシステムは、あまり効果的ではなかったという。BMJ誌オンライン版2013年2月14日号掲載の報告より。

162件の無作為化試験をメタ解析
 研究グループは、162件の無作為化比較試験についてメタ解析を行い、診療プロセスや患者のアウトカム改善効果のある臨床意思決定支援システムについて分析した。

 意思決定支援システムによって、診療プロセスまたは主要アウトカムに関する評価項目が、すべて50%以上改善した場合について、同システムが効果的だと定義した。主要アウトカムが不明の場合には、複数の事前に規定したアウトカムが50%以上改善した場合とした。

アドバイスに従わない理由を書き込むシステムの効果が高い
 その結果、ケア中に電子カルテに助言が示されるシステムやオーダー・エントリー・システムで自動的に示されるものの効果は低く、診療プロセスや患者アウトカム改善に関するオッズ比は、0.37(95%信頼区間:0.17~0.80)だった。

 より効果的なシステムは、患者と医師へのアドバイスが提供されるもので、同オッズ比は2.77(同:1.07~7.17)だった。さらに、アドバイスに従わない場合に、その理由の入力が必要となっているシステムの効果が高く、同オッズ比は11.23(同:1.98~63.72)だった。

 なお、臨床意思決定支援システムの評価は、開発元が評価したものが大半であった。そしてそれら開発元がシステムを評価した場合には、その評価が第三者による評価よりも高くなる傾向にあり、同オッズ比は4.35(同:1.66~11.44)だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)