食物繊維を多く摂っている人ほど心血管疾患が発症しにくい/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2014/01/10

 

 食物繊維の摂取量が多いほど、心血管疾患および冠動脈心疾患のリスクは低いことが、系統的レビューとメタ解析の結果、明らかにされた。英国・リーズ大学のDiane E Threapleton氏らが報告した。これまで、同関連については多数の観察研究で示唆されていたが、エビデンスとなる報告はなかったという。また、既存の文献レビューは非系統的なもので、由来食物に着目した検討はなされておらず、リスクとの関連性を摂取量で定量化した評価は行われていなかった。BMJ誌オンライン版2013年12月19日号掲載の報告より。

食物繊維摂取量と冠動脈心疾患および心血管疾患との用量反応性の関連を調査
 研究グループは、食物繊維摂取量と冠動脈心疾患および心血管疾患との用量反応性の関連について調べることを目的に、系統的レビューとランダム効果モデルを用いたコホート研究のメタ解析を行った。

 文献検索は、Cochrane Library、Medline、Embaseなどにて行い、食物繊維摂取量と冠動脈心疾患または心血管疾患との関連を報告している追跡期間3年以上の前向き試験(1990年1月1日~2013年8月6日の間に英語で発表)を適格とした。

由来食物にこだわらず、総摂取量を増やすことが大切
 適格基準を満たしたのは22件のコホート研究であった。論文では、総食物繊維摂取量、食物繊維のサブタイプまたは由来食物、心血管疾患もしくは冠動脈心疾患のプライマリなイベントが報告されていた。

 解析の結果、総食物繊維摂取量と、心血管疾患リスク(7g/日摂取当たりのリスク比:0.91、95%信頼区間[CI]:0.88~0.94)、冠動脈心疾患リスク(同:0.91、0.87~0.94)との逆相関の関連が認められた。解析に組み込んだ試験には若干の不均一性がみられた[心血管疾患:I2=45%(0~74%)、冠動脈心疾患:I2=33%(0~66%)]。

 不溶性食物繊維、穀物または野菜由来の食物繊維は、心血管疾患および冠動脈心疾患リスクとの逆相関が認められた。果物由来の食物繊維は、心血管疾患リスクとの逆相関性がみられた。

 著者は、「系統的レビューとメタ解析の結果、総食物繊維摂取量が多いと、心血管疾患および冠動脈心疾患リスクはいずれも低いことが示唆された」とまとめたうえで、「今回の結果は、食物繊維の摂取量を増やそうという一般的なレコメンデーションに同調しているものであった。得られたデータは、全体的な摂取量に関するエビデンスを提示するもので、穀物や植物由来繊維の摂取を強化するような食品消費を支持するものではない」と述べている。

(武藤まき:医療ライター)