尿管結石の予測に有用な新たなスコアを開発/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2014/04/07

 

 尿管結石有無の診断のために新たに開発されたSTONEスコアは、確実にその存在を予測することが、米国・エール大学のChristopher L Moore氏らによる前向きおよび後ろ向きコホート研究の結果、示された。同スコアが高い群で尿管結石が存在する割合が高く、その場合、ほかの急性重大症状を有する確率は低いことも確認された。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討により、CT画像診断による放射線曝露、および画像診断そのものの過剰適用を制限するのに役立つことになるだろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年3月26日号掲載の報告より。

尿管結石と関連する上位5つの因子を特定し、スコアリングシステムを開発
 研究グループは、CT画像診断を行った患者の尿管結石の存在について、客観的な臨床予測因子を抽出し、その因子を用いたスコアを開発し検証試験を行った。検討に際して、尿管結石を有する確率の高い患者は、その他の重要所見が認められる確率は低いと仮定した。

 都市部の3次緊急医療を提供する救急部門と、都市部近郊にある独立コミュニティ緊急センターで、腎結石が疑われ単純CT検査を受けた成人について、後ろ向き観察抽出コホートと前向き観察検証コホートの検討を行った。

 後ろ向き観察抽出コホートは、2005年4月~2010年11月に無作為に選択したCT画像診断を受けた患者1,040例であった。前向き観察検証コホートは、2011年5月~2013年1月の間に包含された連続前向き登録患者491例であった。

 抽出コホート試験では、症候性尿管結石と関連する可能性が高い因子を、カルテとCTの記録を結びつけて抽出し、診断に即して分類。また多変量ロジスティック回帰分析にて、尿管結石と関連する上位5つの因子を特定し、尿管結石が存在する確率(低、中、高)で層別化するスコアリングシステムを開発した。

 前向き検証コホート試験では、開発したスコアをCTの結果を盲検化して適用し、尿管結石とほかの重大症状の存在を比較した。

尿管結石が存在する確率が高い群88.6~89.6%を予測
 結果、抽出コホート試験にて、尿管結石を最も予測する5つの因子として、「男性」「短い間隔の痛み」「非黒人」「悪心または嘔吐」「顕微鏡的血尿」が明らかになり、0~13のスコアからなるSTONEスコアを開発した。

 尿管結石の存在について、スコアを適用して評価した結果、確率が低い群(スコア0~5の低スコア群)に該当した人は抽出コホート群8.3%、検証コホート群9.2%で、中等度群(スコア6~9の中スコア群)には同51.6%、51.3%、高い群(スコア10~13の高スコア群)には同89.6%、88.6%が該当した。

 高スコア群に該当した人で、その他急性の重大所見がみられたのは、抽出コホート群0.3%、検証コホート群1.6%だった。