悪性黒色腫、抗PD-1抗体が奏効/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2014/08/01

 

 イピリムマブ(国内未承認)耐性の進行期悪性黒色腫に対して、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(pembrolizumab、国内未承認)の3週間ごとの投与は、2mg/kgまたは10mg/kgの用量のいずれでも、全奏効率(ORR)が26%であった。フランスのギュスターヴ・ルシィ研究所のCaroline Robert氏らが、第I相試験の非盲検多施設共同拡大コホート試験を行った結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「ペムブロリズマブは、有効な治療選択肢がない患者にとって有効な治療となるかもしれない」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年7月15日号で発表した。

2mg/kgまたは10mg/kgを3週間ごとに1回投与、安全性と有効性を比較
 Robert氏らは、イピリムマブ耐性の進行期悪性黒色腫の患者(18歳以上)173例を、無作為に2群に分け、一方にはペムブロリズマブを2mg/kg(89例)、もう一方には10mg/kg(84例)を、それぞれ3週間ごとに1回静注投与した。病状の進行や、耐えられない毒性の発生、また患者の同意により服用中止をするまで追跡した。

 主要エンドポイントは、固形がんに対する抗腫瘍効果の判定基準(RECIST ver1.1)によるORRだった。

中央値8ヵ月追跡、ORRは26%
 追跡期間の中央値は8ヵ月だった。完全および部分奏効が認められたのは、2mg群は81例中21例、10mg群は76例中20例で、ORRは両群ともに26%だった(p=0.96)。

 最も頻度が高かった薬剤関連有害事象は、疲労感(2mg群:33%、10mg群:37%)、そう痒(それぞれ26%、19%)、発疹(いずれも18%)だった。

 患者2例以上に認められたグレード3以上の薬剤関連有害事象は、グレード3疲労感の2mg群5例(3%)の報告だけだった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)