標準化された心臓テレメトリを電子的にオーダーするoff-site中央モニタリング法(CMU)は、緊急対応チーム(ERT)の発動よりも早く、発症から1時間以内に洞調律や心拍数変化を検知し、心停止イベントを増大することなく患者の減少に寄与したことが報告された。米国・クリーブランドクリニックのDaniel J. Cantillon氏らが非重症患者を対象とした検討で明らかにした。従来のon-siteモニタリングでは、重大なイベントを見逃す頻度が高く、死亡に至る場合も少なくないことから、研究グループはoff-site CMUとアウトカムの関連を評価する検討を行った。JAMA誌2016年8月2日号掲載の報告。
13ヵ月間の検知アウトカムなどを評価
クリーブランドクリニックと3つの地域病院の非ICUの全患者を対象に、2014年3月4日~2015年4月4日の13ヵ月間にわたって行われた。
off-site CMUは、疑い例を含む頻脈性不整脈または徐脈性不整脈などが認められた場合に、標準化心臓テレメトリを施行するというものであった。CMUがERT発動よりも早く発症から1時間以内に洞調律/心拍数を検知するかを評価。また、CMU対ERTの検知アウトカム、テレメトリ施行の総計、および心停止の発生を13ヵ月前とで比較した。
心停止増加せず患者数が週平均15.5%減少
61の看護ユニットで、CMUが電子的テレメトリのオーダーを受けた患者は9万9,048例(クリーブランドクリニックでの例が73%)で、41万534件の検知(不整脈/血行動態48%)を提示した。ERTが発動した患者は、3,243例で、発症から1時間以内洞調律/心拍数変化を認めて発動した患者は979例(30%)であった。それらイベント患者のうち772例(79%)について、CMUは正確に検知していた。加えて、自由裁量で検知をERTに提供した重大イベントが認められた患者は105例(心室頻拍44例、一時的停止[prolonged pause events]/心停止36例、多形性心室頻拍/心室細動14例、その他11例)であった。そのうち27例(26%)の心肺機能停止イベントについては事前に通知がなされたことで25例(93%)が心拍再開に至った。
テレメトリの標準化施行により、非ICUのモニタリング対象患者数は、週平均15.5%減少した(13ヵ月の施行中580 vs.施行前670例、平均差:-90、95%信頼区間[CI]:-82~-99、p<0.001)。一方で、心肺機能停止症例は、施行前126例、施行後122例であった。