NSAIDs27種の心不全入院リスクとの関連を検証/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2016/10/06

 

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)服用の心不全による入院リスクについて調べた結果、現在(2週間以内)服用者は半年超(183日)前に服用していた人に比べ2割程度リスクが高いことが明らかにされた。また、ジクロフェナク、etoricoxib、インドメタシン、ピロキシカム、rofecoxibについて1日量の2倍以上を服用している場合、同リスクは2倍に増大していた。イタリア、ミラノ・ビコッカ大学のAndrea Arfe氏らが、オランダ、イタリアなどの欧州4ヵ国の医療データベースを基に行った、コホート内ケース・コントロール試験の結果、示された。BMJ誌2016年9月28日号掲載の報告。

選択的COX-2阻害薬含む27種のNSAIDsについて検証
 研究グループは、オランダ、イタリア、ドイツ、英国の4ヵ国5つの医療データベースを基に、2000~10年にかけてNSAIDsの服用を開始した18歳以上について、コホート内ケース・コントロール試験を行った。

 心不全により入院した人は9万2,163例で、年齢や性別などをマッチングしたコントロールは824万6,403例だった。

 23種の従来型NSAIDsと、4種の選択的COX-2阻害薬を含む計27種のNSAIDsの服用と、心不全による入院リスクとの関連について、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて分析を行った。

 ケース群の平均年齢は77歳、コントロール群は76歳。男性の割合は、いずれも45%だった。

ketorolacの2週間以内服用、心不全入院リスクは1.8倍に
 その結果、いずれかのNSAIDsについて現在服用(入院前14日以内)群は、過去(183日超前)服用群に比べ、心不全による入院リスクが19%増大した(補正後オッズ比:1.19、95%信頼区間[CI]:1.17~1.22)。

 種類別にみると、従来型NSAIDs7種(ジクロフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、ketorolac、ナプロキセン、nimesulide、ピロキシカム)と選択的COX-2阻害薬2種(etoricoxib、rofecoxib)を服用中の人は、過去に服用した人に比べ、心不全による入院リスクが有意に増大した。具体的にそれらNSAIDsのオッズ比は、最小がナプロキセンで1.16(95%CI:1.07~1.27)、最大がketorolacで1.83(同:1.66~2.02)だった。

 また、ジクロフェナク、etoricoxib、インドメタシン、ピロキシカム、rofecoxibを1日量の2倍以上服用群では、心不全による入院リスクが2倍に増大した。インドメタシンとetoricoxibでは、1日量の0.9~1.2倍の服用でも、同リスクの有意な増大が認められた。

 なお、セレコキシブの通常服用量については、同リスクの増大は認められなかった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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