大腸がん死亡率、術後フォローアップ頻度の影響は?/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2018/06/13

 

 StageII/IIIの大腸がん患者において、術後のフォローアップ検査(CT画像検査と腫瘍マーカーCEA検査)の頻度を多くしても、少ない場合と比べて、結果として5年全死因死亡率や大腸がん特異的死亡率は有意に低下しないことが、デンマーク・Abdominal Disease CenterのPeer Wille-Jorgensen氏らによる無作為化試験「COLOFOL試験」の結果、示された。大腸がんの根治手術を受けた患者に対するインテンシブなフォローアップは、臨床において日常となっているが、生存ベネフィットのエビデンスは限定的であった。JAMA誌2018年5月22日号掲載の報告。

術後6、12、24、36ヵ月時検査群vs.12、36ヵ月時検査群
 COLOFOL試験は非盲検無作為化試験で、2006年1月~2010年12月にスウェーデン、デンマーク、ウルグアイの24施設で治療を受けた2,509例の患者を登録して行われた。被験者は、StageII/IIIの大腸がん患者で、根治手術後、2つのスケジュール(術後6、12、24、36ヵ月時:高頻度、術後12、36ヵ月時:低頻度)によるフォローアップ検査(胸部・腹部CTとCEA検査)のいずれかを受けるよう無作為に割り付けられ、5年間フォローアップを受けた(フォローアップ終了は2015年12月31日)。

 主要評価項目は、5年全死因死亡率と大腸がん特異的死亡率。副次評価項目は、大腸がん特異的再発率であった。intention-to-treat解析、per-protocol解析の両者を行い評価した。

5年全死因死亡率、大腸がん特異的死亡率、再発率とも有意差なし
 2,555例が無作為化を受け、intention-to-treat解析には2,509例が包含された(高頻度群1,253例、低頻度群1,256例)。被験者の平均年齢は63.5歳、女性が1,128例(45%)を占めた。試験を完了したのは2,365例(94.3%)であった。

 5年全死因死亡率は、高頻度群13.0%(161/1,253例)、低頻度群14.1%(174/1,256例)であった(リスク差:1.1%[95%信頼区間[CI]:-1.6~3.8]、p=0.43)。5年大腸がん特異的死亡率は、高頻度群10.6%(128/1,248例)、低頻度群11.4%(137/1,250例)であった(リスク差:0.8%[95%CI:-1.7~3.3]、p=0.52)。

 大腸がん特異的再発率は、高頻度群21.6%(265/1,248例)、低頻度群19.4%(238/1,250例)であった(リスク差:2.2%[95%CI:-1.0~5.4]、p=0.15)。

(ケアネット)