治療困難な反復性片頭痛、erenumabは選択肢に/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2018/11/08

 

 2~4種の予防的片頭痛治療が奏効しない/忍容性がない治療困難な反復性片頭痛(episodic migraine)に対し、新たな抗CGRP受容体抗体erenumabの140mg投与は、プラセボと比較し片頭痛を減らす効果が認められ、忍容性および安全性は同等であることが示された。ドイツ・Charite Universitatsmedizin BerlinのUwe Reuter氏らが、第III相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験「LIBERTY試験」の結果を報告した。片頭痛持ちの患者のうち、経口の予防的治療が奏効しない/忍容性がないという人はかなりの割合で存在する。先行研究で、erenumabは片頭痛への予防的治療の有効性が認められており(反復性片頭痛、慢性片頭痛[Tepper S, et al. Lancet Neurol. 2017;16:425-434.]ともに)、研究グループは、治療困難な片頭痛へのerenumabの有効性と忍容性を検討した。Lancet誌オンライン版2018年10月22日号掲載の報告。

erenumab 140mg vs.プラセボ、片頭痛の平均日数/月50%以上減少を評価
 LIBERTY試験は16ヵ国59地点で、18~65歳、12ヵ月以上の反復性片頭痛(前兆の有無を問わない)既往で、スクリーニング前3ヵ月間の片頭痛が平均4~14日/月、2~4種の予防的治療が成功しなかった(有効性と忍容性のいずれか、もしくは両方に関して)患者を対象に行われた。

 適格患者を無作為(1対1)に2群に割り付け、erenumab 140mg(70mg静注を2回で)またはプラセボを、4週に1回、12週間にわたって皮下投与した。無作為化は自動応答技術(interactive response technology)を用いて行われ、ベースライン段階の片頭痛の月当たり頻度により層別化(4~7 vs.8~14日/月)した。割り付けリストおよび被験者の治療群割り付けの生成にはCenduitを使用した。被験者、研究者、さまざまな評価を行う者、試験スポンサーは割り付けについてマスキングされた。

 主要評価項目は、9~12週の片頭痛の平均日数/月がベースラインより50%以上減少した患者の割合。有効性の評価は全解析集団(割り付け治療を開始し少なくとも1回のベースライン後評価を受けた全患者を含む)で行われた。安全性と忍容性は、記録された有害事象、および身体検査、バイタルサイン評価、臨床検査室評価、心電図検査により評価された。安全性評価は、試験薬を少なくとも1回投与された割り付け患者について行われた。

達成した患者の割合はerenumab群30%、プラセボ群14%で有意な差
 2017年3月20日~10月27日に、246例が無作為化を受けた(erenumab群121例、プラセボ群125例)。予防的薬物療法の試みについて、2種の不成功ありが95例(39%)、同3種が93例(38%)、同4種が56例(23%)であった。ベースラインの平均日数/月は、erenumab群9.2日(SD 2.6)、プラセボ群9.3日(2.7)であった。

 12週時点で、片頭痛の平均日数/月がベースラインよりも50%以上減少した患者の割合は、erenumab群30%(36/119例)、プラセボ群14%(17/124例)であった(オッズ比:2.7、95%信頼区間[CI]:1.4~5.2、p=0.002)。

 忍容性および安全性のプロファイルは、両群で類似していた。また、最も頻度の高かった治療関連有害事象は注射部位疼痛で、両群7例(6%)ずつの発生であった。

 結果を踏まえて著者は、「治療困難な(満たされない高い要求を有し、治療オプションが少ない)片頭痛持ちの患者にとって、erenumabは1つのオプションになるだろう」とまとめている。

(ケアネット)