コントロール不良2型DM、セマグルチドvs.シタグリプチン/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2019/04/04

 

 メトホルミン(単剤またはSU薬併用)でコントロール不良の成人2型糖尿病患者に対し、セマグルチド7mg/日、14mg/日の投与は、シタグリプチン投与に比べ、26週の試験期間中の糖化ヘモグロビン(HbA1c)値を、より大きく有意に抑制したことが示された。セマグルチド3mg/日では有意なベネフィットは示されなかったという。米国・Dallas Diabetes Research Center at Medical CityのJulio Rosenstock氏らが、約1,900例を対象に行った第IIIa相ダブルダミー無作為化並行群間比較試験「PIONEER 3試験」の結果で、GLP-1受容体作動薬セマグルチドについて、他のクラスの血糖降下薬と直接比較した初となる第III相試験だという。結果を踏まえて著者は「臨床設定での有効性の評価について、さらなる検討を行う必要がある」と述べている。JAMA誌オンライン版2019年3月23日号掲載の報告。

セマグルチドを1日3mg、7mg、14mg投与
 研究グループは、メトホルミン(SU薬併用も含む)を服用するもコントロール不良の2型糖尿病成人患者を対象に、1日1回の経口セマグルチドvs.シタグリプチン100mgのアドオン療法の有効性を比較し、長期有害イベントを評価した。試験は2016年2月~2018年3月にかけて、14ヵ国206ヵ所の医療機関を通じ、78週にわたって行われた。

 2,463例がスクリーニングを受け、1,864例が無作為に4群に割り付けられ、セマグルチドを1日1回3mg(466例)、7mg(466例)、14mg(465例)またはシタグリプチン100mg(467例)をそれぞれ投与された。セマグルチドの投与量は当初3mg/日で開始し、4週後に7mg/日へ、さらに4週後に14mg/日へと増量した。

 主要エンドポイントは、ベースラインから26週までのHbA1c値の変化だった。主な副次エンドポイントは、同期間の体重変化や、HbA1c値と体重の52週および78週時の変化だった。エンドポイントについて、HbA1c値減少の非劣性(非劣性マージン:0.3%)を検証したうえで、HbA1c値・体重減少の優越性を検証した。

セマグルチド7mg/日群と14mg/日群は26週後にHbA1c値減少
 被験者の平均年齢は58歳(SD 10)で、ベースラインの平均HbA1c値は8.3%(SD 0.9)、BMIは32.5(同6.4)、女性は47.2%(879例)だった。試験を完遂したのは1,758例(94.3%)で、298例が早期に試験を中止した(セマグルチド3mg/日群16.7%、7mg/日群15.0%、14mg/日群19.1%、シタグリプチン群13.1%)。

 ベースラインから26週までのHbA1c値は、セマグルチド7mg/日群と14mg/日群は、シタグリプチン群に比べ有意な減少が認められた(それぞれ群間差:-0.3%[95%信頼区間[CI]:-0.4~-0.1]、-0.5%[-0.6~-0.4]、いずれもp<0.001)。また、体重についても有意に減少した(それぞれ群間差:-1.6kg[-2.0~-1.1]、-2.5kg[-3.0~-2.0]、いずれもp<0.001)。

 一方で、セマグルチド3mg/日群については、HbA1c値に関してシタグリプチン群に対する非劣性は示されなかった。

 ベースラインから78週後のHbA1c値、体重の変化は、セマグルチド14mg/日群でシタグリプチン群に比べ有意な減少が認められた。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 住谷 哲( すみたに さとる ) 氏

社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会泉尾病院 糖尿病・内分泌内科 主任部長

J-CLEAR評議員