ベンゾジアゼピン系薬剤抵抗性のけいれん性てんかん重積状態の小児における第2選択薬について、レベチラセタムはフェニトインに対し優越性は示されなかった。ニュージーランド・Starship Children's HospitalのStuart R. Dalziel氏らによる233例を対象とした非盲検多施設共同無作為化比較試験「ConSEPT」の結果で、Lancet誌オンライン版2019年4月17日号で発表した。本症の小児における第2選択薬は、フェニトインが現行では標準薬とされているが、効果があるのは60%に過ぎず、副作用が多く認められるという。レベチラセタムは新しい抗けいれん薬で、急速投与が可能であり、潜在的により有効であること、副作用プロファイルへの許容もより大きいことが示唆されている。
レベチラセタムvs.フェニトイン、てんかん発作臨床的消失率を比較
ConSEPTは、レベチラセタムまたはフェニトインのいずれが、ベンゾジアゼピン系薬剤抵抗性のけいれん性てんかん重積状態の小児における第2選択薬として優れているかを明らかにすることを目的とした試験。2015年3月19日~2017年11月29日にかけて、オーストラリアとニュージーランドの13ヵ所の救急救命部門(ER)を通じて、けいれん性てんかん重積状態で、ベンゾジアゼピン系薬による1次治療で効果が得られなかった、生後3ヵ月~16歳の患者を対象に行われた。
研究グループは被験者を5歳以下と5歳超に層別化し、無作為に2群に分け、一方にはフェニトイン(20mg/kg、20分で静脈または骨髄内輸液)を、もう一方にはレベチラセタム(40mg/kg、5分で静脈または骨髄内輸液)を投与した。
主要アウトカムは、試験薬投与終了5分後のてんかん発作の臨床的消失で、intention-to-treat解析で評価した。
投与終了5分後のてんかん発作の臨床的消失率、50~60%で同等
試験期間中に639例のけいれん性てんかん重積状態の小児がERを受診していた。そのうち127例は見逃され、278例は適格基準を満たしていなかった。また、1例は保護者の同意を得られず、ITT集団には残る233例(フェニトイン群114例、レベチラセタム群119例)が含まれた。
試験薬投与終了5分後にてんかん発作の臨床的消失が認められたのは、フェニトイン群60%(68例)、レベチラセタム群50%(60例)であった(リスク差:-9.2%、95%信頼区間[CI]:-21.9~3.5、p=0.16)。
フェニトイン群の1例が27日時点で出血性脳炎のため死亡したが、試験薬との関連はないと判断された。そのほかの重篤な有害事象は認められなかった。
(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)