食道アカラシア、POEMの2年後治療成功率は?/NEJM

症候性アカラシアの治療において、経口内視鏡的筋層切開術(POEM)は腹腔鏡下Heller筋層切開術(LHM)+Dor噴門形成術に対し、2年後の治療成功率に関して非劣性であることが示された。ただし、有害事象である胃食道逆流の発現頻度は、POEM群がLHM群より高値であった。ドイツ・University Hospital Hamburg-EppendorfのYuki B. Werner氏らが、欧州6ヵ国8施設で実施した多施設共同無作為化試験の結果を報告した。バルーン拡張術+LHMは突発性アカラシアの治療法として確立されているが、POEMは侵襲が少なく初期研究で有望な結果が得られていた。NEJM誌2019年12月5日号掲載の報告。
約220例をPOEM群とLHM群に無作為化
研究グループは、2012年12月7日~2015年10月9日の間に、症候性アカラシア患者221例を、POEM群(112例)またはLHM(LHM+Dor噴門形成術)群(109例)に無作為に割り付け追跡評価した。主要評価項目は臨床的成功率で、2年後の追跡調査におけるEckardt症状スコア(0~12点:高いほどアカラシア症状がより重症)が3点以下かつ追加治療なしと定義し、非劣性マージンは-12.5ポイントと設定した。また、副次評価項目として有害事象、食道機能、Gastrointestinal Quality of Life Index(GIQLI)スコア(0~144点:高いほど良好)、胃食道逆流などについて評価した。
2年時の臨床的成功率は83.0% vs.81.7%で非劣性
2年時の臨床的成功率は、POEM群83.0%、LHM群81.7%であり(群間差:1.4ポイント、95%信頼区間[CI]:-8.7~11.4、非劣性のp=0.007)、LHMに対するPOEMの非劣性が示された。重篤な有害事象は、POEM群2.7%、LHM群7.3%に発生した。2年時における食道機能(下部食道括約部の積算弛緩圧の測定により評価)のベースラインからの改善は、両群間で有意差はなく(群間差:-0.75mmHg、95%CI:-2.26~0.76)、GIQLIスコアの改善も有意差は確認されなかった(群間差:0.14点、95%CI:-4.01~4.28)。胃食道逆流が認められた患者の割合は、3ヵ月時の内視鏡検査でPOEM群57%、LHM群20%、24ヵ月時はそれぞれ44%および29%であった。
なお、本試験は患者の同意がなかなか得られず、試験に参加したのは適格患者の50%未満であった。そのほかに著者は、外科医はLHM+Dor噴門形成術の経験のほうが多いこと、盲検化できなかったことなどを研究の限界として挙げている。
(医学ライター 吉尾 幸恵)
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