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COPD、在宅呼吸器療法と臨床転帰との関連は?/JAMA

高二酸化炭素血症を伴う慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、在宅での二相性気道陽圧(BPAP)による非侵襲的陽圧換気(NIPPV)はデバイスなしと比較して、死亡リスク、全入院および挿管リスクの低下と関連し、QOLについて有意差はなかったことが、また非侵襲的在宅人工呼吸(HMV)はデバイスなしと比較して、入院リスク低下と有意に関連し、死亡リスクに有意差はなかったことが示された。米国・メイヨー・クリニックEvidence-based Practice CenterのMichael E. Wilson氏らが、システマティックレビューおよびメタ解析の結果を報告した。COPD増悪に対する院内NIPPVの使用は確立されているが、高二酸化炭素血症を伴うCOPDにおける在宅NIPPVとアウトカムの関連については不明であった。JAMA誌2020年2月4日号掲載の報告。
約5万例についてメタ解析
研究グループは1995年1月1日~2019年11月6日の期間で、MEDLINE、EMBASE、SCOPUS、Cochrane Central Registrar of Controlled Trials、Cochrane Database of Systematic Reviews、National Guideline Clearinghouseに公表された英語論文を検索し、1ヵ月以上在宅NIPPVを使用した高二酸化炭素血症を伴うCOPD成人患者を対象とする無作為化臨床試験(RCT)および比較観察研究を解析に組み込んだ。データ抽出は2人の評価者が独立して行った。バイアスリスクは、RCTではCochrane Collaboration risk of bias tool、非RCTではNewcastle-Ottawa Scaleを用いて評価した。
主要評価項目は、長期追跡期間中の死亡、あらゆる原因による入院(全入院)、挿管、QOLであった。
検索により、解析にはRCTが21件、比較観察研究が12件、合計5万1,085例(平均[SD]年齢65.7[2.1]歳)の被験者データが組み込まれた。このうち死亡は434例、挿管は27例であった。
在宅BPAPで死亡・入院・挿管リスクが低下、エビデンスの質は低い~中程度
BPAP群はデバイスなし群と比較して、死亡率(22.31 vs.28.57%、リスク差[RD]:-5.53%[95%信頼区間[CI]:-10.29~-0.76]、オッズ比[OR]:0.66[95%CI:0.51~0.87]、p=0.003、13試験、患者1,423例、エビデンスの強さ[strength of evidence:SOE]:中程度)、全入院率(39.74 vs.75.00%、RD:-35.26%[95%CI:-49.39~-21.12]、OR:0.22[95%CI:0.11~0.43]、p<0.001、1試験、患者166例、SOE:低い)、挿管率(5.34 vs.14.71%、RD:-8.02%[95%CI:-14.77~-1.28]、OR:0.34[95%CI:0.14~0.83]、p=0.02、3試験、患者267例、SOE:中程度)が有意に低下した。全入院の合計(率比:0.91[95%CI:0.71~1.17]、p=0.47、5試験、患者326例、SOE:低い)とQOL(標準化平均差:0.16[95%CI:-0.06~0.39]、p=0.15、9試験、患者833例、SOE:不十分)の有意差は確認されなかった。
非侵襲的HMV群はデバイスなし群と比較して、全入院数の低下と有意な関連が確認されたが(率比:0.50[95%CI:0.35~0.71]、p<0.001、1試験、患者93例、SOE:低い)、死亡率の有意差は確認されなかった(21.84 vs.34.09%、RD:-11.99%[95%CI:-24.77~0.79]、OR:0.56[95%CI:0.29~1.08]、p=0.49、2試験、患者175例、SOE:不十分)。
有害事象は、デバイスなしとNIPPV使用患者とで統計学的有意差は確認されなかった(0.18/例vs.0.17/例、p=0.84、6試験、患者414例)。
(医学ライター 吉尾 幸恵)
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