再発リスクが高い腎がん患者の術後補助療法として、ペムブロリズマブはプラセボと比較し無病生存(DFS)期間を有意に延長することが認められた。米国・ダナ・ファーバーがん研究所のToni K. Choueiri氏らが、第III相国際共同無作為化二重盲検比較試験「KEYNOTE-564試験」の中間解析結果を報告した。腎摘除術を受ける腎細胞がん患者では、再発リスクを低下させる術後補助療法として、エビデンスレベルが高い選択肢はこれまでなかった。NEJM誌2021年8月19日号掲載の報告。
再発リスクが高い腎摘除術後12週以内の腎がん患者約1,000例で検証
研究グループは、18歳以上の淡明細胞型腎細胞がん患者で、再発リスクが高く(Grade4または肉腫様分化を伴うpT2、pT3以上、局所リンパ節転移、またはM1 NED[原発巣の切除と同時または術後1年以内に転移巣完全切除後、病変が認められない患者])、全身療法未実施、術後12週以内の患者を、ペムブロリズマブ(200mg)群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ3週ごと、最大17サイクル(約1年)投与した。
主要評価項目は、治験責任医師の評価によるDFS期間、副次評価項目は全生存(OS)期間、安全性とした。
2017年6月30日~2019年9月20日の間に、21ヵ国の213施設において994例がペムブロリズマブ群(496例)およびプラセボ群(498例)に割り付けられた。
ペムブロリズマブ群でDFS期間が有意に延長、再発・死亡リスクが32%低下
事前に規定した中間解析で、無作為化からデータカットオフまでの追跡期間中央値24.1ヵ月において、ペムブロリズマブ群ではプラセボ群と比較しDFSが有意に延長した(24ヵ月時点のDFS率:77.3% vs.68.1%、再発または死亡のハザード比[HR]:0.68[95%信頼区間[CI]:0.53~0.87、両側p=0.002])。
また、24ヵ月OS率は、ペムブロリズマブ群96.6%、プラセボ群93.5%であった(死亡のHR:0.54、95%CI:0.30~0.96)。Grade3以上の有害事象は、ペムブロリズマブ群で32.4%、プラセボ群で17.7%に認められた。ペムブロリズマブ投与に関連した死亡は報告されなかった。
(ケアネット)