進行再発の淡明細胞型腎細胞がん(RCC)に対する1次治療としてのペムブロリズマブ・アキシチニブ併用療法は、長期フォローアップの結果からもスニチニブより有用であるという発表が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・Vanderbilt-Ingram Cancer CenterのBrian I. Rini氏より発表された。
本試験KEYNOTE-426は、国際共同非盲検無作為化比較の第III相試験であり、過去のASCO(2019/2020)でもペムブロリズマブ・アキシチニブ併用療法(PemAx)の有意な生存延長が報告されている。今回は観察期間中央値42.8ヵ月時点(データカットオフ2021年1月)での最終結果報告である。
・対象:淡明細胞型RCCで、腎摘除術後の再発例、または全身薬物治療の未実施例
・試験群:ペムブロリズマブ200mg/日を3週ごと最長35サイクル(2年間)投与+アキシチニブ(5mgx2/日)を投与(PemAx群:432例)
・対照群:スニチニブ(50mgX1/日)を4週投与2週休薬(Suni群:429例)
・評価項目:
[主要評価項目]独立評価委員会によるITT集団の全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]ITT集団の全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性
主な結果は以下のとおり。
・OS中央値は、PemAx群45.7ヵ月、Suni群40.1ヵ月、ハザード比(HR)は0.73(95%信頼区間[CI]:0.60~0.88)、p<0.001であった。すべてのペムブロリズマブの投与が終わった2年以降も、カプランマイヤー曲線は離れたままで、36ヵ月時OS率は63%対54%であった。
・PFS中央値は、PemAx群が15.7ヵ月、Suni群11.1ヵ月、HRは0.68(95%CI:0.58~0.80)、p<0.0001であった。36ヵ月時PFS率は29%対15%であった。
・ORRはPemAx群60.4%(CR:10%)、Suni群39.6%(CR:3.5%)、p<0.0001であった。DoR中央値は、PemAx群23.6ヵ月、Suni群15.3ヵ月であった。
・IMDCリスク分類におけるFavorable Risk群でのOSのHRは1.17(95%CI:0.76~1.80)であり、42ヵ月OS率はPemAx群が72.3%、Suni群が73.0%であった。
・Intermediate/Poor Risk群でのOSのHRは0.64(95%CI:0.52~0.80)、42ヵ月OS率はPemAx群が50.6%、Suni群が37.6%であった。
・両群ともに安全性プロファイルは既報同様で、安全性に関する新たなシグナルはなかった。
発表者は「今回の最終解析報告もこれまでの報告と同様に、進行性RCCに対する一次治療として、ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用療法が標準治療であることを支持している」と述べた。
(ケアネット)