シスプラチン不適の進行性尿路上皮がん(mUC)に対する1次治療としてのペムブロリズマブの単剤投与の長期追跡結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・シカゴ大学のP.H.O’Donnell氏から報告された。
本試験(KEYNOTE-052)は国際共同第II相試験である。主要評価項目である全奏効率(ORR)については2017年に報告されているが、今回は生存期間も含めた長期追跡の報告となる。
・対象:シスプラチン投与に不適な未治療のmUC症例370例(PS0~2)
・介入:ペムブロリズマブ200mg/回を3週間ごと投与
・評価項目:
[主要評価項目]独立評価委員によるORR
[副次評価項目]独立評価委員による無増悪生存期間(PFS)、奏効期間(DoR)、全生存期間(OS)、安全性
主な結果は以下のとおり。
・患者の年齢中央値は74歳、高PD-L1群は30%、PS2は42%、内臓転移あり85%であった。
・2年間の薬剤治療を完遂した症例は11.9%であった(中止理由の59.5%は病勢進行)。
・追跡期間中央値56.3ヵ月時点でのORRは28.9%(CR9.5%)であった。
・PD-L1レベルによるORRは、高PD-L1群では47.3%(CR20.9%、PR26.4%)、低PD-L1群では20.7%(CR4.0%、PR16.7%)であった。
・ITT集団でのOS中央値は11.3ヵ月、2年OS率は31.5%、4年OS率は10%であった。
・OSをPD-L1レベルでみると、高PD-L1群の中央値は18.5ヵ月で、2年OS率46.9%、4年OS率31.9%であり、低PD-L1群ではそれぞれ、9.7ヵ月、2年24.3%、4年12.9%であった。
・DoR中央値は33.4ヵ月であり、3年時点で奏効を保っている症例は44.8%であった。高PD-L1群の中央値は未到達、低PD-L1群では21.2ヵ月であった。
・安全性プロファイルは、他の試験と同様であり新たな兆候はなかった。
(ケアネット)