ファイザーブースター接種、年齢層別の効果は/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2021/12/20

 

 イスラエルで新型コロナワクチンBNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の3回目接種(ブースター接種)を受けた16歳以上について調べた結果、全年齢でCOVID-19感染および重症の発生率についてブースター接種者のほうが非接種者よりも大幅に低かったことが、イスラエル・Weizmann Institute of ScienceのYinon M. Bar-On氏らにより報告された。イスラエルでは先行して実施された60歳以上へのBNT162b2ブースター接種の結果が有望であったことを受け、2回目接種から5ヵ月以上経つ若い年齢層にもブースターを接種するキャンペーンが拡大されていた。NEJM誌オンライン版2021年12月8日号掲載の報告。

16歳以上469万6,865人のブースター接種者のデータを解析

 研究グループは、2021年7月30日~10月10日のイスラエル保健省のデータベースから、5ヵ月以上前に2回目接種を終えた16歳以上469万6,865人のデータを抽出し、解析を行った。

 主要解析では、ブースター接種後12日以上経過した人(ブースター群)とブースター接種を受けていない人(非ブースター群)の、COVID-19の感染、重症化、死亡の発生率を比較した。2次解析では、ブースター群とブースター接種後3~7日の人(ブースター直後群)で比較。Poisson回帰モデルを用いて潜在的交絡因子を補正後に率比を比較した。

いずれの年齢でも、ブースター群の感染、重症化の発生率が大幅に減少

 確認された感染の発生率は、ブースター群のほうが非ブースター群よりも低く、率比でみると約10分の1であった。比較検討した5つの年齢群(16~29歳、30~39歳、40~49歳、50~59歳、60歳以上)では、最小が30~39歳の9.0分の1、最大は16~29歳の17.2分の1であった。また、ブースター群はブースター直後群よりも低く、最小は30~39歳の4.9分の1、最大は16~29歳の10.8分の1であった。

 補正後率比の差(10万人日当たりの感染件数)は、主要解析(ブースター群vs.非ブースター群)では最小が60歳以上の57.0、最大は30~39歳の89.5であり、2次解析(ブースター群vs.ブースター直後群)では最小が60歳以上の34.4、最大は50~59歳の38.3だった。

 高年齢群(40~59歳、60歳以上)における重症化に関する検討では、60歳以上の重症化の発生率は主要解析、2次解析いずれもブースター群が低く、率比でみると主要解析(ブースター群vs.非ブースター群)は17.9分の1(95%信頼区間[CI]:15.1~21.2)、2次解析(ブースター群vs.ブースター直後群)は6.5分の1(5.1~8.2)であった。また、40~59歳では、それぞれ21.7分の1(10.6~44.2)、3.7分の1(1.3~10.2)であった。補正後率比の差(10万人日当たりの感染件数)は、60歳以上では主要解析(ブースター群vs.非ブースター群)で5.4、2次解析(ブースター群vs.ブースター直後群)で1.9であり、40~59歳ではそれぞれ0.6、0.1であった。

 60歳以上の死亡に関する検討では、率比でみると主要解析(ブースター群vs.非ブースター群)で14.7分の1(95%CI:10.0~21.4)、2次解析(ブースター群vs.ブースター直後群)で4.9分の1(3.1~7.9)、いずれもブースター群が低かった。補正後率比の差(10万人日当たりの死亡件数)は、それぞれ2.1、0.8であった。

(ケアネット)