体格指数(BMI)が高値ほど2型糖尿病を発症するリスクは高く、肥満であるか否かにかかわらず、腹囲の大きさと2型糖尿病リスクには強い正の線形の関連性が認められることが明らかにされた。イラン・Semnan University of Medical SciencesのAhmad Jayedi氏らが、200件超の試験を対象に行ったメタ解析の結果を報告した。BMJ誌2022年1月18日号掲載の報告。
2型糖尿病患者230万例を対象にメタ解析
研究グループは、BMI、腹囲、肥満およびこれらの測定比の違いと2型糖尿病リスクとの関連を統合的レビューで明らかにするため、PubMed、Scopus、Web of Scienceを基に、2021年5月1日までに収載された試験を対象に、システマティックレビューと用量反応性メタ解析を行った。対象とした試験は、一般成人集団を対象に行われ、肥満・体脂肪含有量と2型糖尿病リスクに関して検討したコホート試験。
ランダム効果用量反応性メタ解析で関連の度合いを予測し、1段階重み付け混合効果メタ解析により、曲線関係モデルを構築し評価した。
検索により、216件のコホート試験(被験者総数2,600万人)に含まれる2型糖尿病患者230万例を特定した。
中心性肥満の指数、肥満と独立したリスク因子
BMIの5単位増加による、2型糖尿病発症に関する相対リスクは1.72(95%信頼区間[CI]:1.65~1.81、182試験)だった。腹囲10cm増加による同相対リスクは1.61(1.52~1.70、78試験)、また、腹囲/臀囲比0.1単位増加による同相対リスクは1.63(1.50~1.78、34試験)、腹囲/身長比0.1単位増加による同相対リスクは1.73(1.51~1.98、25試験)だった。内臓肥満指数の1単位増加では、同相対リスクは1.42(1.27~1.58、9試験)、体脂肪率10%増加では、同相対リスクは2.05(1.41~2.98、6試験)、ボディシェイプ指数の0.005単位増加では、同相対リスクは1.09(1.05~1.13、5試験)、BAI(body adiposity index、臀囲を用いた肥満指数)の10%増加による同相対リスクは2.55(1.59~4.10、4試験)、臀囲10cm増加による同相対リスクは1.11(0.98~1.27、14試験)だった。
BMIと2型糖尿病リスクには、強い正の線形の相関が認められた。線形または単調な関連性は、特定のカットオフ値で顕著な逸脱を認めることなく、全地域・人種/民族を通じて認められた。
また、全般的な肥満とは独立して、中心性肥満の指数と2型糖尿病リスクには、正の線形または単調な関連性が認められた。総脂肪量・内臓脂肪量と同リスクについても正の線形または単調な関連性が認められたが、試験数は少なかった。
(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)