イベルメクチン、軽~中等症コロナ患者の回復に寄与せず/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2022/11/07

 

 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者において、イベルメクチン400μg/kgの1日1回3日間投与はプラセボと比較し回復までの期間を改善しないことが、米国・デューク大学のSusanna Naggie氏らが実施した無作為化二重盲検プラセボ対照プラットフォーム試験「ACTIV-6試験」の結果、示された。著者は、「軽症~中等症のCOVID-19患者に対して、イベルメクチンの使用は支持されない」とまとめている。JAMA誌2022年10月25日号掲載の報告。

外来患者で、持続的回復までの期間をイベルメクチンvs.プラセボで評価

 ACTIV-6試験は、軽症~中等症のCOVID-19外来患者における既存治療転用を評価するようデザインされた、進行中の完全遠隔法による分散型臨床試験である。

 研究グループは、米国の93施設において、SARS-CoV-2感染が確認されCOVID-19の症状発現後7日以内の30歳以上の外来患者のうち、2つ以上の症状(疲労、呼吸困難、発熱、咳、吐き気、嘔吐、下痢、体の痛み、悪寒、頭痛、喉の痛み、鼻の症状、味覚・嗅覚の異常のいずれか)を有する患者を、イベルメクチン(400μg/kgを1日1回3日間投与)群またはプラセボ群に無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、持続的回復までの期間(少なくとも3日間連続して症状がないことと定義)、副次評価項目は28日目までの入院または死亡の複合を含む7項目とした。

持続的回復までの期間は12日vs.13日、有意差なし

 2021年6月23日~2022年2月4日の期間に、計1,800例が無作為化された(平均[±SD]年齢48±12歳、女性932例[58.6%]、SARS-CoV-2ワクチンを2回以上接種753例[47.3%])。このうち、1,591例(イベルメクチン群817例、プラセボ群774例)が試験を完遂し、解析に含まれた。

 持続的回復までの期間の中央値は、イベルメクチン群12日(四分位範囲[IQR]:11~13)、プラセボ群13日(IQR:12~14)であり、持続的回復までの期間の改善に関するハザード比(HR、HR>1が有益であることを示す)は1.07(95%信用区間[CrI]:0.96~1.17、事後解析のp=0.91)であった。

 28日目までの入院または死亡は、イベルメクチン群で10例、プラセボ群で9例確認された(1.2% vs.1.2%、HR:1.1、95%CrI:0.4~2.6)。

 最も多く報告された重篤な有害事象は、COVID-19肺炎(イベルメクチン群5例、プラセボ群7例)と静脈血栓塞栓症(1例、5例)であった。

(医学ライター 吉尾 幸恵)