うつ病の予測因子は青年期の「腹痛」? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/08/24 うつ病患者の多くは身体症状を訴える。しかし、この身体症状がうつ病によって発現するのか、それとも身体症状のためにうつ病を発症するのか、ほとんどわかっていない。また、従来の研究において、機能的・物理的な身体症状に関する住民ベースの長期縦断研究が不足しているとの指摘がある。Bohman氏らは15年にわたる調査により、うつと身体症状の関係を明らかにし、うつ病の発症の危険因子を検討した。BMC Psychiatry誌オンライン版2012年7月27日号の報告。 対象は、スウェーデンのウプサラ在住の16-17歳の青年。身体症状の有無にかかわらず、1991~1993年にうつ病のスクリーニングを実施、うつ病患者と同数のコントロール群を選定し、それぞれ半構造化面接を行った。身体症状は21の異なる自己評価にて評価した。15年間の面接によるフォローアップ完遂率は64%であった。 主な結果は以下のとおり。 ・青年期うつ病患者における身体症状合併数から、段階的な方法により成人期メンタルヘルス上のアウトカムが予測された。 ・5つ以上の身体症状を合併した青年期うつ病患者の1/4において、その後の転帰は、うつ病の再発68%、パニック障害44%、慢性うつ病30%、身体表現性障害26%、双極性障害22%、自殺企図16%、精神病性障害8% であった。 ・腹痛がうつ病、不安の強力で独立した危険因子であった。また、身体症状はうつ病でない青年において将来の精神障害を予測した。 関連医療ニュース ・ゲームのやり過ぎは「うつ病」発症の原因か?! ・増加する青年期うつ病 、早期発見へ ・検証!「痛み」と「うつ」関係は? (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Bohman H, et al. BMC Psychiatry. 2012 Jul 27;12(1):90. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 早期TN乳がんの術前・術後ペムブロリズマブ、最終OS結果(KEYNOTE-522)/NEJM(2024/09/27) 複雑病変へのPCI、OCTガイドvs.血管造影ガイド/Lancet(2024/09/27) 転移を有するホルモン感受性前立腺がん、ダロルタミド+ADTがrPFS改善(ARANOTE)/ESMO2024(2024/09/27) 日本人治療抵抗性うつ病に対するケタミン治療の有用性~二重盲検ランダム化比較試験(2024/09/27) サシツズマブ ゴビテカン、トリプルネガティブ乳がんに承認/ギリアド(2024/09/27) アミバンタマブ、化学療法との併用でEGFRエクソン20挿入変異陽性肺がんに承認/ヤンセン(2024/09/27) 患者満足度向上対策をクリニックの6割が実施/医師1,000人アンケート(2024/09/27) 肛門扁平上皮がん1次治療、新規抗PD-1抗体上乗せが有用(POD1UM-30)/ESMO2024(2024/09/27)