喫煙と皮膚がんのリスクの関連性は、十分に解明されていない。今回、Fengju Song氏らは、米国における2つの大規模コホートにおいて、悪性黒色腫、基底細胞がん(BCC)、扁平上皮がん(SCC)のリスクをプロスペクティブに検討し、頭頸部における悪性黒色腫のリスクと喫煙とは逆相関していることを報告した。International Journal of Epidemiology誌オンライン版2012年10月11日号に掲載。
主な結果は以下のとおり。
<男性>
・喫煙者の悪性黒色腫のリスクが、非喫煙者より有意に低かった(相対リスク[RR]=0.72、95%信頼区間[CI]:0.58~0.86)。
-30年間以上の喫煙:RR=0.65、95%CI:0.48~0.89、傾向性p=0.003
-1日15本以上の喫煙:RR=0.32、95%CI:0.13~0.78、傾向性p=0.006
-年間45パックより多い喫煙:RR=0.66、95%CI:0.45~0.97、傾向性p=0.03
・BCCのリスクも、喫煙者で若干低かった(RR=0.94、95%CI:0.90~0.98)。
・SCCにおいては有意な関連性は認められなかった(RR=0.99、95%CI:0.89~1.12)。
<女性>
・悪性黒色腫では有意な関連性は認められなかった(RR=0.96、95%CI:0.83~1.10)。
・喫煙者は、非喫煙者よりBCCのリスクが若干高く(RR=1.06、95%CI:1.03~1.08)、SCCのリスクは高かった(RR=1.19、95%CI:1.08~1.31)。
なお、喫煙と悪性黒色腫の間の有意な逆相関は、頭頸部に限られていた(RR=0.65、95%CI:0.42~0.89)。
(ケアネット 金沢 浩子)