非喫煙、BMI 25kg/m2未満、適量以下の飲酒、定期的な運動、より良い食事パターン、といった健康的な生活習慣を送る人は、蛋白尿発現リスクが低いことが、新潟大学大学院 若杉三奈子氏らによる住民ベースのコホート研究の結果、明らかになった。著者らは、慢性腎臓病(CKD)予防には健康的な生活習慣が重要であると強調した。Hypertension Research誌オンライン版2012年11月22日付の報告。
これまで、健康的な生活習慣とCKDとの関連については、ほとんど知られていなかった。本研究では、CKD非罹患者を対象に、健康的な生活習慣の積み重ねが蛋白尿発現にもたらす効果について検討した。
本研究は、2008年時の新潟県佐渡島の特定健康診査・特定保健指導に参加した7,565人(40~79歳)のうち、CKDに罹患していない4,902人(男性2,015人、女性2,887人)を対象とした。
リスクを低下させる生活習慣要因として(1)非喫煙者、(2)BMI 25kg/m2未満、(3)適量以下の飲酒、(4)定期的な運動、(5)より良い食事パターン、の5つを定義し、その合計数を健康的な生活習慣スコアとして算出した。
ベースラインとなる2008年時の健康的な生活習慣スコアと2009年時の蛋白尿発現との関連について、ロジスティック解析を用いて調査した。
主な結果は以下のとおり。
・蛋白尿は2.2%(男性3.2%、女性1.5%)で認められた。
・健康的な生活習慣スコアが5の被験者は、スコア0~2の被験者に比べ、蛋白尿発現リスクが低かった(オッズ比:0.39、95%CI:0.16~0.94)。これは、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症の罹患とは独立していた。
・対象者の47%は、リスクを低下させる健康的な生活習慣に対してのアドヒアランスが欠如していると考えられる。
(ケアネット 武田 真貴子)