サッカーW杯観戦で心イベントは増加するのか

提供元:ケアネット

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公開日:2014/06/23

 

 サッカー観戦が心イベントリスクを増加させるかどうかは、議論の余地が残されている。2006年にドイツでワールドカップが開催されたが、オーストリア・パラケルスス医科大学のDavid Niederseer氏らは、バイエルン地方のサッカーファンの大規模コホートにおいて、心イベントに対する情動ストレスの影響を評価した結果をInternational Journal of Cardiology誌2013年12月号に報告している。本調査では、自国のチームが試合しているかどうかにかかわらず、サッカー観戦は心イベント発生率の増加に関連しておらず、スポーツイベントの観戦で心イベントリスクは増加しないという仮説を支持する結果となっている。

 著者らは、ワールドカップの期間(2006年6月9日~7月9日)と対照期間(2005年5月1日~7月31日、2006年5月1日~6月8日、2006年7月10日~31日)におけるバイエルンの統計・データ管理委員会による、以下の疾患における診断データを分析した。
[心筋梗塞、心筋梗塞再梗塞、心停止、発作性頻拍、心房細動、心房粗動、その他すべての頻脈性不整脈]
 データは、ワールドカップ中ドイツチームの試合があった7日間、ドイツチームの試合がなかった24日間、対照期間(61日間)の3群で比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・バイエルン地方の1日当たりの総心イベントにおいても、他の調査疾患においても、対照期間(176.2±51.8)に比べて、ドイツチームの試合があった7日間(161.1±46.7)、試合のなかった24日間(170.5±52.3)における有意なイベント増加はみられなかった(p>0.433)。

・この結果は、年齢、性別、負け試合、外気温、二酸化窒素の大気汚染レベルを調整後も、本質的に変わらなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)