これからの心房細動アブレーション、焼くか冷やすか~Fire and Ice trial~(解説:矢崎 義直 氏)-580
左房と肺静脈をカテーテルアブレーションで電気的に隔離する心房細動の治療法は、この10年で大きく発展し、心房細動に対するマネージメントを大きく変えた。とくに高周波によるアブレーション治療は、薬物療法より洞調律維持効果が高いことを多くの大規模臨床試験が証明している。しかし、従来の高周波によるアブレーションは、肺静脈と左房を電気的隔離するために一点一点の多くの焼灼を必要とし、連続した円周上のブロックラインを作成するには、経験を必要とする。手技の複雑性のため、アブレーション治療成績は、個々のオペレーターの技術に大きく依存し、経験豊富な施設でも一定の割合で合併症が発生する。より手技がシンプルで、安全かつ治療効果が高いシステムとして冷凍バルーンアブレーションが開発された。