がん領域の臨床試験で生存曲線の差を評価するとき、ハザード比(HR)がよく使用される。しかし、HRによる評価では治療効果の不正確な評価につながる恐れがある。そこで、フランス国立保健医学研究所(INSERM)のLudovic Trinquart氏らは、がん領域の無作為化比較試験における治療効果の評価におけるHRと生存曲線下面積(RMST)の差(および比)について比較した。その結果、概して、HRがRMST比よりも治療効果推定値が有意に大きかった。著者らは、絶対的効果が小さい場合にはHRが大きくなる可能性があり、イベント発生までの期間のアウトカムを評価する無作為化試験では、RMSTによる評価をルーチンに報告すべきと結論している。Journal of clinical oncology誌オンライン版2月16日号に掲載。