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労働者のメタボ予防に効果的なのは

 余暇における身体活動の強度がメタボリックシンドロームに及ぼす影響についてのデータは少ない。また、職場や通勤時の身体活動がメタボリックシンドロームに及ぼす影響に関する前向き研究データはない。国立国際医療研究センターの桑原 恵介氏らは、日本の労働者において、余暇における運動の強度、および仕事中や通勤時の身体活動によるメタボリックシンドロームリスクを比較した。その結果、高強度のみの運動、または高強度と中強度の運動の組み合わせ、および職場における身体活動への介入が日本の労働者のメタボリックシンドロームの予防に役立つ可能性を示唆した。Endocrine誌オンライン版2016年3月7日号に掲載。

第1世代抗精神病薬はどの薬剤も変わらないのか

 記述的、非体系的レビューによると、薬理学的に同等な仮説を有するさまざまな第1世代抗精神病薬(FGA)間に有効性の差がないことが明らかになっている。オーストリア・ウィーン医科大学のMarkus Dold氏らは、すべてのFGAの有効性が同等であるとの仮説を、メタ解析統計を用いたエビデンスベースの検討を行った。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年2月26日号の報告。

降圧薬、アドヒアランス不良でCVD死亡リスク1.6倍以上

 降圧薬のアドヒアランス不良は、心血管疾患(虚血性心疾患・脳出血・脳梗塞)による死亡および入院リスクの上昇と有意な関連が認められることが、韓国・Korea Cancer Center HospitalのSoyeun Kim氏らによる研究で明らかになった。著者らは、実臨床における服薬アドヒアランス改善と監視システムの重要性を強調した。Hypertension誌2016年3月号の報告。

てんかん重積状態に対するアプローチは

 てんかん重積状態と群発発作は、よくみられる神経救急状態である。ドイツ・ザールラント大学のArmin Bachhuber氏らは、ベンゾジアゼピン非応答のてんかん重積状態と群発発作の治療における異なる抗てんかん薬治療を比較評価するため、単施設後ろ向きコホート研究を行った。CNS neuroscience & therapeutics誌2016年3月22日号(オンライン版2016年2月4日)の報告。

米臨床試験で治療成績向上の実績、TAVI生体弁「Sapien3」承認

 エドワーズライフサイエンス株式会社(東京都新宿区、代表取締役会長:ケイミン・ワング)は3月11日、TAVI(経カテーテル大動脈弁治療)用の生体弁「エドワーズ サピエン3」(以下サピエン3)の製造販売承認を取得した。5月を目途に保険償還を経て、必要なトレーニングを修了した医療機関に向けて販売を開始、今年中には既存のすべてのTAVI実施施設にて使用開始できる予定。

ベジタリアン/ヴィーガンダイエットって実際どうなの?

 ベジタリアンダイエットは虚血性心疾患とすべてのがんの発症および死亡リスクを、また、ヴィーガン(完全菜食主義)ダイエットはすべてのがんの発症リスクを有意に低下させることが、イタリア・フィレンツェ大学のMonica Dinu氏らによるメタ解析で明らかになった。Critical reviews in food science and nutrition誌オンライン版 2016年2月6日号の報告。

足元の「冷え性」が関係する気温感受性高血圧

 「頭寒足熱」とは、古くから語られてきた健康法だが、この「足熱」の重要性を裏付ける研究が、先月、都内で開かれた日本心臓財団のメディアワークショップで紹介された。本稿では、ワークショップの演者で、室温の変化が血圧に与える影響を研究している苅尾 七臣氏(自治医科大学内科学講座 循環器内科学主任教授)の講演について取り上げる。

オランザピン誘発性体重増加を事前に予測するには:新潟大学

 オランザピン(OLZ)による治療は、体重増加の高リスクと関連しており、糖脂質代謝異常を引き起こす可能性もある。そのため、OLZ関連の体重増加の機序を解明する必要があるが、まだ十分にわかっていない。近年、レプチンやアディポネクチンなどのアディポサイトカインや、エネルギー恒常性に重要な役割を果たす腫瘍壊死因子(TNF)-αが、体重増加のバイオマーカーとして考えられている。新潟大学の常山 暢人氏らは、レプチン、アディポネクチン、TNF-αのベースライン血漿中濃度がOLZ治療による体重増加を予測するかを検討した。PLoS One誌2016年3月1日号の報告。

ラタノプロスト、先発品 vs.後発品の比較経済分析

 米国・テキサス大学健康科学センターのJoanna H. Queen氏らは、ラタノプロストのブランド製剤とジェネリック製剤について比較経済分析を行った。その結果、患者にとって重要な要素である年間費用とボトル当たりの滴数は、製造業者によって有意に異なることを明らかにした。著者は、「医師はこれらの差を認識することで、患者によりよい助言ができるだろう」とまとめている。American Journal of Ophthalmology誌2016年3月号(オンライン版2015年11月18日号)の掲載報告。

クロザピン誘発性副作用のリスク遺伝子同定:藤田保健衛生大学

 クロザピン誘発性無顆粒球症・顆粒球減少症(CIA・CIG;CIAG)は、クロザピン治療を受ける統合失調症患者の生命に影響を与える問題である。藤田保健衛生大学の齊藤 竹生氏らは、CIAGの遺伝的要因を調査するため、日本人のCIAG患者50人と正常対照者2,905人について、全ゲノム関連解析を行った。Biological psychiatry誌オンライン版2016年2月11日号の報告。

18日より、日本循環器学会学術集会が仙台で開催

 第80回日本循環器学会学術集会(JCS2016)が2016年3月18日(金)~20日(日)、宮城県仙台市で開催される(会長:東北大学循環器内科学教授 下川 宏明氏)。3日間を通して、約2万人の参加を見込んでおり、循環器系学術集会としては欧州心臓病学会(ESC)に次いで、世界第2位の規模になる。17ヵ国、66人の海外からの招待演者らによる発表や、米国心臓病学会/心臓協会(ACC/AHA)、ESCなどとのジョイントシンポジウム7セッションをはじめとする、計3,294演題、815人の座長による発表が予定されている。

ほろ酔い状態は人を魅力的にする

 適度な飲酒は、素面のときよりも他人を魅力的に感じることができるだけでなく、他人から見ても魅力的にうつることが、英国・ブリストル大学のJana Van Den Abbeele氏らによる研究で明らかになった。この研究結果により、飲酒と冒険的な性行動が関連する理由が説明できるかもしれない。Alcohol and alcoholism誌オンライン版2015年5月号の掲載報告。

アトピーが食物アレルギーの要因にも?

 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、因果関係が示唆されているものの完全には明らかになっていない。このことが予防と治療に重大な影響を及ぼしている。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのTeresa Tsakok氏らは、システマティックレビューの結果、アトピー性皮膚炎、食物感作および食物アレルギーとの間には強くかつ用量依存的な関連があることを確認したという。

医学の進歩はてんかん発症を予防できるようになったのか

 てんかんの新規発症の予防は、重要な公衆衛生上の問題であり、緊急のアンメットニーズである。しかし、その予防が進んでいるかは不明である。フィンランド・トゥルク大学のMatti Sillanpaa氏らは、この40年間の医学の発展による、フィンランドにおけるてんかん予防の進展を検討した。JAMA neurology誌オンライン版2016年2月15日号の報告。

CTO再灌流、生存率改善はみられないものの、バイパス術施行を有意に減らす

 慢性完全閉塞(CTO)に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)の成功率は、術者の経験の蓄積、デバイスや手技の改善により向上している。とくに薬剤溶出ステント(DES)の登場によって、ベアメタルステントに比べて再狭窄発生や再灌流療法の再施行が減少し、複雑なCTOに対するPCI施行が容易になった。これまでにも、CTOに対する再灌流療法によって、症状の改善、左室駆出率の改善、バイパス術の減少などが報告されているが、生命予後の改善に関しては一定した結果が得られていない。韓国のグループが、DESのみを用いたPCIによる研究結果をJACC Cardiovascular Interventions 誌オンライン版2016年2月25日号で発表した。