腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:372

がん患者における婚姻状況と生存率の関連

 婚姻状況(配偶者の有無)によって、がん診断時のステージや根治的治療の実施、がんによる死亡率に違いはあるのだろうか。  ハーバード大学のAyal A. Aizer氏らが、米国のがん登録システムであるSurveillance, Epidemiology and End Results(SEER)programを用いて、死亡数の多いがんについて調査したところ、配偶者のいないがん患者では、診断時における転移、治療の不足、がんによる死亡のリスクが有意に高いことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年9月23日号に掲載。

大腸内視鏡検査はがん発生と死亡率をどのくらい低下させるか/NEJM

 下部消化管内視鏡(大腸内視鏡、S状結腸鏡)検査と、遠位・近位別の大腸がん発生との関連および死亡率との関連を検討した結果が、米国・ダナファーバーがん研究所のReiko Nishihara氏らにより報告された。大腸内視鏡検査およびS状結腸鏡検査が、大腸がん発生の予防に寄与することは知られるが、その効果の大きさや、実施頻度との関連について、とくに近位大腸がんに関しては明らかでなかった。NEJM誌2013年9月19日号掲載の報告より。

起床から喫煙までの時間が短いほど肺がんリスク高:愛知県がんセンター

 喫煙は肺がんの主な原因である。一方、ニコチン依存の明確な指標である、起床から最初の喫煙までの時間(TTFC:time to first cigarette)と肺がんとの関連性について利用可能な情報はほとんどない。愛知県がんセンター研究所の伊藤 秀美氏らは、ケースコントロール研究によって、TTFCによって示されるニコチン依存が肺がんリスク増加に関連することを報告した。Annals of Oncology誌オンライン版2013年9月6日号に掲載。

身体活動は胃がんリスクにも好影響

 身体活動は胃がんリスクの減少に関連している可能性がある。米国メイヨークリニックのSiddharth Singh氏らは、その関連の程度とエビデンスの質を評価するために系統的レビューとメタアナリシスを実施した。その結果、公表されている観察研究のメタアナリシスにおいて、身体活動と胃がんリスク減少の関連が示された。著者らは、身体活動増加にフォーカスしたライフスタイルへの介入は、多くの健康上のメリットに加え、世界における胃がんの疾病負担を減少させるかもしれないとしている。Cancer Prevention Research誌2013年9月18日号オンライン版に掲載。

パニツムマブの負の効果予測因子、KRAS以外にもある可能性/NEJM

 上皮増殖因子受容体(EGFR)を標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体であるパニツムマブ(Pmab、商品名:ベクティビックス)は、KRAS遺伝子エクソン2の変異を有する転移性大腸がん(mCRC)患者では効果が低いことが報告されている。フランス・Institut de Cancerologie de l’ Ouest(ICO)Rene GauducheauのJean-Yves Douillard氏らは、PRIME試験についてバイオマーカー解析を行い、KRAS遺伝子エクソン2変異以外の遺伝子変異も、Pmabの負の効果予測因子となる可能性を示した。NEJM誌2013年9月12日号掲載の報告。